ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』(森新太郎 演出)観劇レポ!


降りるバス停を間違えた彼らは、果たして演奏会に間に合うのか!?
かつての敵国で迷子になった警察音楽隊の、とある一夜の物語。


ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』日生劇場で上演中!!



警察音楽隊の面々


警察音楽隊の楽隊長トゥフィーク:風間杜夫


トランペット奏者の色男カーレド:新納慎也


迷子になった警察音楽隊を手助けする食堂の女主人ディナ:濱田めぐみ

2007年公開の映画「迷子の警察音楽隊」を原作に、ミュージカル『ペテン師と詐欺師』の作曲家デヴィッド・ヤズベックが作曲と作詞を手掛けた本作。2018年、トニー賞授賞式においてノミネートされた11部門のうち、作品賞を含む10部門を独占するという大旋風を巻き起こしました。(第72回トニー賞10部門受賞:ミュージカル作品賞/ミュージカル主演男優賞/ミュージカル主演女優賞/ミュージカル助演男優賞/ミュージカル演出賞/ミュージカル脚本賞/ミュージカル照明デザイン賞/ミュージカル音響デザイン賞/オリジナル楽曲賞/編曲賞)

物語
エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊が、イスラエルの空港に到着した。ペタハ・ティクヴァのアラブ文化センターで演奏するように招かれた彼らだったが、いくら待っても迎えが来ない。誇り高い楽隊長のトゥフィーク(風間杜夫)は自力で目的地に行こうとするが、若い楽隊員が聞き間違えたのか案内係が聞き間違えたのか、彼らの乗ったバスは、目的地とよく似た名前のベイト・ハティクヴァという辺境の町に到着してしまう。一行は街の食堂を訪れるが、もうその日はバスがないという。演奏会は翌日の夕方。食堂の女主人ディナ(濱田めぐみ)は、どこよりも退屈なこの街にはホテルもないので、自分の家と常連客と従業員の店に分散して泊まるように勧める。

かくして、言葉も文化も異なる隣国の人間達が、一夜交わることとなった。迷子の音楽警察隊は、果たして演奏会に間に合うのか──?


日本版『バンズ・ヴィジット』の演出を手掛けるのは森新太郎さん。その手腕は言うに及ばず。豊かな音楽性はもちろん、演劇性においても高い評価を得る本作を森さんの演出で──発表時は小躍りして喜んだという方もたくさんいらっしゃるでしょう。

歴史的に対峙してきたエジプトとイスラエル二国の国民同士が、国境を越えて心を通わせるという、人間の本来あるべき姿を描いた本作のメッセージが、森演出、適材適所のキャストによって、今、日本に届けられます。早速公演をご覧になったおけぴ会員のみなさんの感想と舞台写真(撮影:渡部孝弘 提供:ホリプロ)で綴る観劇レポートをどうぞ!



左から)中平良夫、岸祐二、エリアンナ、矢崎広


左から)山﨑薫、永田崇人、新納慎也

◆ドラマチックでもなく、すごい見せ場があるわけでもなく、グランドミュージカルの対極のような作品でありながら、心に残るインパクトは同程度なのがなぜかわからないのが気になって仕方ない、という不思議な、そして上質な作品でした。音楽もすてきです。

◆素晴らしい舞台でした! 人それぞれのドラマを歌と回り舞台と照明とエキゾチックな音楽で魅せてくれます。出会いや別れ、愛することの切なさが心に届いてきます。エジプトとイスラエルの緊張とは関係なく、人と人は心通わせることができるというお話。役者さんも音楽家さんも、本当に素晴らしかったです。これだけのメンバーが揃う舞台、なかなかないのではと感じました。

◆中東の雰囲気と人間の哀愁が感じられる作品です! 演劇要素が強いので、ミュージカルに馴染みが無い方にもお楽しみいただけると思います。「大人向けミュージカル」という趣もあり、出逢えてよかったです。



左から)星衛、常味裕司、立岩潤三、太田惠資、梅津和時
ミュージシャンとして第一線で活躍するみなさんが、警察音楽隊として舞台上で芝居をしながら、演奏するのも本作の見どころ!


左から)矢崎広、常味裕司

◆たった一晩の出来事ではありますが、心の交流と人生の少しの変化があたたかいです。警察音楽隊のみなさんが実際に演奏してくださるのも見どころ!とても楽しめました。

◆何かは起きたけど何も変わらない。何年経っても、そういえば昔、こんなことがあったなぁ、と脈絡もなく口の端にのせられるような一夜のお話です。物語の流れを繋ぐ音楽を、実際に警察音楽隊のキャストメンバーが奏でる様に哀愁とおかしみがあり、エキゾチックな楽器の響きとリズムも相まって、不思議と心に残る舞台でした。良作という言葉がしっくりきます。

◆最初の音楽から一気に中東の世界に引き込まれました。派手すぎずナチュラルな音楽が世界観にしっくりきました。音楽隊の生演奏が良かったです。臨場感があるのはもちろん、俳優さんの演技とのタイミングもバッチリでした。ちょっと意外な結末やほんのりした余韻もグッドでした。



左から)青柳塁斗、髙田実那


左から)辰巳智秋、渡辺大輔、濱田めぐみ、風間杜夫


電話男:こがけん

◆砂漠の中にポツンとある何もない町に迷い込んだ異国の人々とそこに生きる人々との一夜の交流を描いていて、派手さは全然ないけれど、会話の中に生まれる熱だったり、それぞれの人生の一瞬の煌めきのようなものを感じ、温かさが波紋のように心に広がる作品だと思いました。中東音楽の生演奏が異国情緒を盛り上げてくれて、日本人にはあまり馴染みのないシチュエーションも違和感なく楽しめました。

◆エキゾチックで美しいメロディ、素晴らしい歌唱、心にポッと灯りがともるようなストーリー。決して派手さはありませんが、後悔させない作品です。演者さんがみなさん素敵なのですが、まさかと言っては失礼ですが、こがけんさんの歌声に涙しました。

◆登場人物それぞれの心の中の淀みや滓が、小さな力で押し出されて、スッと流れ出す様子を見て、しみじみ温かくなりました。今日は余韻にひたります。演者さんがみなさん素晴らしくて、歌声に痺れました。



左から)新納慎也、濱田めぐみ、風間杜夫


左から)友部柚里、辰巳智秋、こがけん、渡辺大輔

◆濱田さんの圧倒的な歌唱と居姿がピタッとハマっていて、作品を引っ張っている印象でした。そしてキャストそれぞれに魅力的な場面があり、どの場面も私達の日常とすり替わるかもしれないという気持ちで傍観しつつ感情移入してしまう不思議な作品でした。

◆「それはたいしたことではなかった」まさにそのとおりで、退屈な街にたまたま訪れたイレギュラー。とまどいと、ちょっとした好奇心と。この夜が終わればまた何も変わらない日々。虚しさと切なさにたまらない女と、身をかきむしりたくなる思いを受け止める男がいる。「遅すぎます」その一言がもう、にくいっ。惜しむらくは、寂れた街のがらんとした雰囲気のためにステージの奥行や高さが必要だったにせよ、この作品に対しての劇場が大き過ぎやしないかということ。もう少し小ぢんまりした空間で観たかった。

◆行き先を間違えた音楽隊が何もない街で過ごす一夜のお話です。出会うはずの無かった人たちが、片言の英語と音楽で不器用に少しずつ心を通わせていきます。劇場を出た時に、あれ?大恋愛も大事件も無かったな?けれどほんのり温かい気持ちになっていました。



左から)風間杜夫、濱田めぐみ

◆ふだん聞かない中東の音楽が舞台上で演奏され染み入りました。演奏者が演技もされてすごいなと思いました。風間さんはインタビューで歌も踊りもないとおっしゃっていたけどいいお声で歌を響かせていました。新納さんの楽器演奏もすごかったです。物語は国や人種に関係なくあるふつうの暮らしの中のできごとだが敵対する国、異なる言語を超えた交流が一晩に盛りだくさんでした。濱田めぐみさんはぴったりのお役だと思いました。

◆トニー賞の授賞式を観て以来、日本上演を楽しみにしていた公演。エキゾチックな音楽と濱田めぐみさんの圧巻の歌声に酔いしれた2時間でした。これといった大きな出来事は起きないのに、それぞれの登場人物を思い、観劇後にじわじわくるミュージカル。楽に向かって右肩上がりで観客が増えていきそうな気がします。

◆エジプトとイスラエルの関係性が物語に深く影響していますが、日本人にとってわかりにくいところを、説明のチラシを置いてくださっていて、いい予習になりました。

おけぴ注:作品を理解する手助けとなる時代背景を解説するチラシが劇場にて配布されるので、観劇前にチェック!また下記ページからもご覧いただけます。
予習に最適!『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』を予習しよう!あらすじ&作品解説ページはこちら


上演時間は、1時間45分(休憩なし)の予定。東京公演は2月23日(木祝)まで日生劇場にて、大阪公演は3月6日(月)~8日(水)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、愛知公演は3月11日(土)~12日(日)刈谷市総合文化センター大ホールにて上演です。


【公演情報】
ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』
東京公演:2023年2月7日(火)~2月23日(木祝)@日生劇場
大阪公演:2023年3月6日(月)~8日(水)@梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
愛知公演:2023年3月11日(土)~12日(日)@刈谷市総合文化センター大ホール

原作:エラン・コリリンによる映画脚本
音楽・作詞:デヴィッド・ヤズベック
台本:イタマール・モーゼス
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
演出:森 新太郎

風間杜夫:トゥフィーク(指揮者) 濱田めぐみ:ディナ
新納慎也:カーレド(トランペット) 矢崎 広:イツィック 渡辺大輔:サミー
永田崇人:パピ エリアンナ:イリス 青柳塁斗:ツェルゲル
中平良夫:シモン(クラリネット) こがけん:電話男 岸 祐二:アヴラム
辰巳智秋:警備員 山﨑 薫:ジュリア 髙田実那 :アナ 友部柚里:サミーの妻
太田惠資:カマール(バイオリン) 梅津和時:警察音楽隊(マルチリード) 星 衛:警察音楽隊(チェロ) 常味裕司:警察音楽隊(ウード) 立岩潤三:警察音楽隊(ダルブッカ)
竹内大樹(スウィング) 若泉亮(スウィング)

公演HPはこちらから

<舞台写真>撮影:渡部孝弘 提供:ホリプロ
感想寄稿:おけぴ会員の皆様
おけぴ取材班:chiaki(編集)監修:おけぴ管理人

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