帝国劇場がムーラン・ルージュに!
贅の限りを尽くした絢爛豪華な装飾、非日常のドキドキ感、上演前から高まる気持ち──特別な時間が皆様を待っています♪
バズ・ラーマン監督による名作映画が、煌びやかなマッシュ・アップ・ミュージカルとして、装いも新たに舞台へと蘇る。この物語で謳われるのは、「真実」 「美しさ」 「自由」 ──そして何よりも、「愛」。
NYブロードウェイでの大ヒットを皮切りに、昨年12 月~本年3月の韓国・ソウル公演につづき、世界で7か国目の上演となる『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』日本初演の幕が開く! その待ちに待ったプレビュー公演のスタートを前に会見が行われました。
会見が行われたのは2階客席、写真の通り、キャストのみなさんの後方には『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の世界が広がるという素敵な演出!!
登壇者はサティーン役、クリスチャン役、デューク(モンロス公爵)役(それぞれWキャスト)の望海風斗さん/平原綾香さん、井上芳雄さん/甲斐翔真さん、橋本さとしさん/松村雄基さん、伊礼彼方さん/Kさん、そして……。
──『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』(以下、『MRTM』)いよいよプレビュー初日です。今の心境をお聞かせください。 望海さん) 稽古序盤から、『MRTM』の素晴らしい世界へお客様を早くお連れしたいという気持ちをもっていました。いよいよその時が来ることを、私自身も楽しみにしています。お客様の反応、作り出してくださる空気によって私たちも変わっていくと思いますので、プレビュー公演でいろいろと試しながら、ここからはみなさんと一緒に作り上げていきたいと思います。
平原さん) この素晴らしい作品に出演できることをとても幸せに思います。クリスチャンの「これは愛の物語だ」という台詞そのままに、クリスチャンはサティーンのために愛の曲を書き、サティーンはクリスチャンの(曲を世に送り出す)ために自らの限られた命を燃やす。自分で演じ歌っていながらも、そんな二人の姿に毎日感動しています。一番素敵だと感じたのは「人を愛すること。その気持ちを相手に伝えることがどんなに素晴らしいことなのか」です。笑って泣けて、悲しくもなるけれど最後にはハッピーな気持ちになれるこの作品をご覧になった後には、「愛してる」という言葉が皆様の心に残るのではと思っています。私と翔真くんのプレビュー初日は26日、頑張ります!
井上さん) ご覧の通り、大変スケールの大きな作品です。企画段階にはなかったコロナ禍という困難もありながら、こうして公演が実現したということにも喜びを感じています。オーストラリアからはもちろん、韓国からもスタッフの方が来てくださいました。本当にたくさんの方が帝劇に集まり、今日を目指して準備をしてまいりしました。まずはこうしてプレビュー初日を無事に迎えられている、そのことに感無量です。あとは我々が作ってきた『MRTM』が日本の観客のみなさんにどう受け止められるか、楽しみで仕方がないです。
伊礼さん) お客様も声を出して楽しんでいいんですよね!
井上さん) いいんですよ!
特にさとしさんと雄基さんが演じるジドラー登場の場面はね。拍手と歓声がないと……どんな感じで出てくるんでしたっけ?
橋本さん) 「みなさんお待たせしました! みんな大好きハロルド・ジドラー、僕で~す!」
井上さん) ここです! ここで“しーん”というのはあまりにも辛い!(笑)
みなさん、そこだけでも頑張っていただきたい! いやいや、ほかにも盛り上がるところがいっぱいあるので、みんなで盛り上がっていただきたいと思います。
──甲斐さんの、今の心境は。 甲斐さん) 客席でゲネプロを拝見しました。クリスチャンが物語を始めたとき、なんだか泣けてきたんです。「『MRTM』の世界が日本に、帝劇に立ち上がった!日本の観客のみなさんに届けられる」ということに鳥肌が立ちました。今夜の初日も待ちきれないです!
井上さん) 今の話の流れ、一瞬、冒頭の僕の演技で泣いたのかなと思ったんだけど……いや、全然いいんですけど(笑)。
橋本さん) 芳雄、微妙に肩を震わせていたよね(笑)。
井上さん) 翔真ってば……と思いながら(笑)。
甲斐さん) ごめんなさい!(笑)
──そんなお二人をはじめとするWキャストの関係は? 意識したり? (意識ですか?と、質問に若干戸惑い気味な甲斐さんに?「僕、Wキャストを意識するっていう芸風でやっているんで(笑)」と断りを入れる井上さん) 井上さん) 僕らに限らずお互いにリスペクトし合った仲の良い雰囲気です。僕のWキャストの歴史のなかではすごく仲がいいほうです(笑)。
橋本さん) 今までどんな人とやっていたのかなー(笑)
甲斐さん) 後で調べてみよう(笑)。
井上さん) いいから、いいから! でも、翔真とは本当に年齢が全然違いますし、そこから学ぶところも刺激を受けるところもたくさんありました。すごくいいカンパニーだなって……みなさんもそう思いません?
平原さん) 私たちは何度もご飯に行きました。バレエ教室が一緒だったので、高校生のときからレオタードで一緒に踊っていた仲です!
甲斐さん) これって、すごい再会ですよね。
望海さん) すごい再会なんです!
平原さん) そして再会してもレオタードという(笑)。
──かなり攻めた衣裳ですよね。 平原さん) ナイトクラブ“ムーラン・ルージュ”が舞台ですので、そこは。でもいやらしさを感じない、カッコイイ衣裳です。
井上さん) 衣裳もすごいです!
平原さん) 衣裳も靴もヘッドセットもすべてが美しい。全員オーダーメイドで身体にぴったりと合う衣裳をスタッフのみなさんが手作業で作ってくださっています。衣裳も見どころです。
私の場合、レオタードを着慣れているのであまり抵抗がなくて、それには自分でもビックリしました。
望海さん) 宝塚を退団し、この衣裳で舞台に出るということに対してファンの方の心が心配でしたが、その必要がないくらいこの衣裳が『MRTM』の世界観にマッチしています。
井上さん) でも、お父さんがね。
望海さん) はい。父親はちょっと気にしています。2階席からじゃないと観られないって(笑)。
井上さん) お父さんの心が心配ですね(笑)。
──お話を戻しまして、松村さんはWキャストはいかがですか。 松村さん) 僕はWキャストが初めてです。バディである橋本さとしさんに本当に助けていただきました。憧れと尊敬をもって、この舞台を務めさせてもらっています。
井上さん) さとしさんのようにはならないぞと反面教師として(笑)
松村さん) ああはならないように……違う違う!
井上さん) お二人、性格が真逆なんです。さとしさんはいろいろと自分でアレンジするタイプなんですけど(笑)。
橋本さん) 立ち位置などとても厳密に決められた作品で、松村雄基さんは稽古中からそこが完璧に仕上がっていて。僕は(立ち位置)12番?14番?って、とても数字に弱くて(笑)。
松村さん) このジドラーという役は、華やかで大らかでユーモアのある人。チャーミングなさとしさんは演じなくてもジドラー。そこを見習いたいと。台本にとらわれない自由さとか(笑)。
橋本さん) 僕はどう受け止めたらいいのでしょうか(笑)。
(ここで伊礼さん、Kさんへと質問が移るも)
橋本さん) 交流ですか? 楽屋も一緒で……
井上さん) さとしさん、今、自由な感じ出ちゃっていますよ(笑)。
橋本さん) ごめん、彼方ね。(隣にいる伊礼さんに)黒い衣裳だからいるって気づかなかった(笑)。
井上さん) ひどいな(笑)
(なんだかこのやりとり、久々な感じです)
伊礼さん) Kくんは、芝居が2作品目。稽古は僕が先にやり、立ち位置や喋り方などを僕のほうから伝えるとそれをすぐに掴んで、さらにちょっとアレンジもして自分のものにする。なにせ耳と感性が素晴らしいので! 本当にずるいんですよ!デュークそっくり(笑)!!
Kさん) 伊礼さんはいつも良いお手本を見せてくださって、勉強になりました。そこから自分なりにアレンジし、またそれについてお互いに話し合ってきました。(Wキャストが)伊礼さんですごく良かったなと思います。今日のプレビュー公演でも、(客席から見て)しっかり盗もうかなと(笑)。
伊礼さん) 新しいヒール役が日本にやってきましたよ! 日本ミュージカル界の貴族枠、ヒール役、クズ役、これ全部、伊礼彼方ですから。
井上さん) 絶対いるよね、1作品に1人クズがね(笑)。
伊礼さん) そこにKくんが! ぜひサティーンとクリスチャンの物語が盛り上がり深まるために、いい引き立て役になりたいと思っています。よろしくお願いいたします。
井上さん なんで最後、噺家さんみたいな喋り方に! (笑)
──お金を使って女性を振り向かせるというところはどこか……、やっぱりさらってしまいたい? 伊礼さん) 「今すぐさらってしまいたか」ですね(笑)。朝ドラ(NHK連続テレビ小説「らんまん」)に続いて、恋敵を務めさせていただきます。
井上さん) ドラマでは(ヒロインを)奪えたんですか?
伊礼さん) 奪えなかったんですよ。逃げられたんですよ。
井上さん) 今回はどうなるのか!
伊礼さん) そうなんですよ。舞台が始まったら役者のものですから!
Kさん) ストーリー変えちゃうの?
伊礼さん) そこも楽しみにしていただければと(笑)。
──『MRTM』の費用がすごいと! 井上さん) 『MRTM』は本当に心配になるくらいお金がかかっています。僕も20年以上帝劇に出ていますが、この気合の入り方はスゴイ!総力を挙げてというか、決死の覚悟というか、何があったんだろうというほど(笑)。お弁当も!
Kさん) お弁当を選べるっていいですよね。
井上さん) そう選べるんですよ。いつもA/Bとかないですからね。そこから考えても本気度が……そこなのか?(笑)
(仕切り直して)ご覧の通り装置も大がかりですし、それだけに安全を確かめながら時間をかけて舞台稽古を重ねてきました、それほどまでに徹底しないと成立しない作品だということ、チケット代が高いということも話題になっていますが、その理由は実際に作品を立ち上げる中でわかりました。
【サプライズ!バズ・ラーマン監督登場!】
──昨日のゲネプロをご覧になって。 とてもエキサイティングで素晴らしかった! 日本語はわかりませんが、素晴らしい翻訳だったのではないかと感じています。ユーモアもすべてではありませんが伝わりました。そして最後の悲劇的な部分は、おそらくこれまで観た中で一番感動しました。今日は、もう一組を観られるのでとても楽しみです。
──世界で7か国目のプロダクション、日本公演に期待することは。 今回、一番楽しみなのは日本のポピュラーミュージックのアイコン的存在のユーミンをはじめとする有名なアーティストたちが訳詞をされたということです。
──日本語の響きはいかがでしたか。 俳優の意図や意思、そこで語られるドラマに真実があれば、何語かということを忘れます。日本語で上演されていても、英語で聞いているような感覚になりました。それはそこに彼らの真実があったから。
◆ また、バズ・ラーマン監督は「プレビュー初日にはとっておきのスーツを着てきます」と宣言! 舞台衣裳を着ているキャストのみなさんとの並びに「みなさん素敵なのにすみません!知っていればケープとかトップハットをもってきたのに(笑)」と会場を沸かせるユーモアも!
さあ、いよいよ『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』が始まります!
みなさん、用意はいいですか!!
【会見ダイジェスト映像】
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おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人