2013/11/20 OSK日本歌劇団『桐生麻耶 トーク&ショー Gift~貴方への贈り物~』稽古場レポ&インタビュー

速報♪:【初日舞台写真をレポ後半にUPしました!】


「ザ・男役」「パワフル」「ダイナミック」「漢!」「男役の中の男役」…!
これらはすべて、これまでのおけぴレポートで、
OSK日本歌劇団の男役スタ―・桐生麻耶さんに捧げた言葉たちでございます。

恵まれた体格と容姿、キレキレでありながら決してブレないそのダンス、
そして二枚目から悪役、コメディリリーフまで何でもこなす役者力…と、
たくさんの魅力を持つ桐生麻耶さん。

その桐生さんを中心に、5人の実力派メンバーが出演する11月の公演では、
“これまでのOSK公演とは少し違う、新しいチャレンジをする”とお聞きして、
『桐生麻耶 トーク&ショー Gift~貴方への贈り物~』稽古場にお邪魔してまいりました!


チームワーク抜群!5人それぞれの魅力にクローズアップ♪

――まずは桐生さんに公演の内容についてお聞きします。今回の舞台はピアノ、ウッド・ベースの生演奏にあわせての歌や、出演者の素顔にせまるトークコーナーなど、いわゆる“いつものOSKレビュー”とは、すこし違うものになりそうだとか?

桐生)
企画段階から参加させていただきまして、自らハードルを上げてしまいました。
「生バンドで行きたい」なんて…今思えば、なんで言ってしまったんだろうと(笑)。


――今回あえて「歌」をメインに持ってきた訳は?

桐生)
やはりOSKと言うと、どうしても「ダンス!」というイメージが強いですよね。
もちろんダンスはとても大切なのですが、そこはこれからも自然に発展していける部分だと思うんです。
ですから今回は、より努力しなければいけない部分、つまり「歌」の割合を増やしたいなと思いました。
今回のような機会に「こんな歌も歌える、歌いたい」というところを見ていただきたい。
それに加えて、歌だけではなく、目でも楽しんでいただきたいので、
ラストには出演者5人が思いきり踊るダンスシーンも追加していただきました。



歌をしっかりと聞かせた後の、全力ダンス!!



――稽古場では、蒼音さんと楊さんに熱く「男役芸」を伝授されている姿が印象的でした。ただ歩くだけのシーンでも、「こういう感じで!」といろんな例をあげて伝えていらっしゃいましたね。

桐生)
舞台を観てくださるお客様に失礼なことをしたくないんです。
チケットを買って、狭い座席に座って舞台を観てくださる、それに見合うものを出したい。
「舞台の上にただいるだけ、歩くだけ」というのが一番難しいとよく言われますが、
演じる方が“空っぽ”なまま舞台に出ても、お客様に観ていただけるものにはならないので。
あえて厳しいことを言う時もあります。
仲良しサークルでやっているわけではないですから、
舞台の上でこそ、心からの手を繋ぎたいなと思うんですよね。



――桐生さんを拝見していると、そういった熱い思いを持って舞台に立っている、ということがヒシヒシと伝わります。今回の公演でも客席に熱いものを伝えたい?

桐生)
実は個人的には、今回は逆のことに挑戦しているんです。
これまでずっと“熱い感じ”で来ていましたが(笑)、
舞台の上にいながらもすっと引いてみせる、その部分が私には足りないので、
今回はこれまでにはなかった、力の抜けた感じをみていただければ、と思っています。



――新しい挑戦と言うと、今回は本格的なトークコーナーもあるとか。

桐生)
お題を出して、映像なども使って、
普段の私たちの“素の部分”を少しでも知っていただけるよう趣向をこらしています。
まあ、お知りになりたくない方もいらっしゃるでしょうけど(笑)。
今回はさらに、短いお芝居パートもあるんですよ。
同窓会に集まる5人の男女のお話で、1人の青年の旅立ちと2組のカップルの恋模様を描きます。
舞台は現代の日本なので、とても身近な内容になっていて、
作りこんだレビューやミュージカルとはちょっと違う、軽いタッチのお芝居になっていますね。
懐かしい人達に会いたくなるような、胸がキュンとするような感じになるといいなと思っています。


――生演奏での歌、トーク、お芝居…と、本当に新しい挑戦に満ちた舞台になりそうですね!

桐生)
いつもOSKでお見せしているパワフルなレビューとはまた違う、
大人っぽくて、等身大のステージ、
観終わった後に「人って捨てたもんじゃないな」と、思わず微笑んでしまうような、ちょっと口角があがるような(笑)、
歌、ダンス、トーク…と、プレゼントの詰め合わせのようなギフトに出来るといいなと、
そう思って稽古をしています。




いかがでしょうか?
これまでのOSKレビューとはちょっと違った魅力が味わえそうな予感ですよね。
この新感触ステージを彩るのがこちらの5人のみなさまです♪


素敵な笑顔をいただきました!
(左から:蒼音淳さん 牧名ことりさん 桐生麻耶さん 折原有佐さん 楊琳さん)

5人だけの出演者、ということは、いつも以上にその肩にかかる責任も大きいわけですが、
その分、観る方は皆様の魅力にクローズアップ出来るはず!
…というわけで、5人それぞれの魅力を、
他のメンバーから他己紹介の形で教えていただきました♪

まずはこの方、<桐生麻耶(きりゅうあさや)さん>の魅力とは…?

折原)
「お芝居がとてもお上手です!今回もとても“自然な男の人(笑)”を演じていらっしゃいます。歌劇ってどうしても過剰になる部分があるのですが、今回は特に“自然なあり方”というものを教えて頂いています」

牧名)
「舞台の上では見た目がリアルに男性!なのですが、中身は誰よりも女の子。女性らしい一面とのギャップが魅力です。また芝居、歌、ダンス全てに“こうしていきたい”という明確な道が見えている方なので、下級生としても“なるほど!”とついていくことが出来ます」

蒼音)
「“歌劇の中でしか存在しえない男役”というものがあるのですが、桐生さんの場合、それすらも超越しているような気がします! 桐生麻耶という、ひとつのジャンルになっているのかなと。しかも年々男らしくなられていて…(笑)。今回の舞台でもがっつりとその魅力が楽しめるはずです」

楊)
「舞台の上でも外でも本当に器が大きい方。表現するものもとても大らかで安心感がありますよね。どんなものからでも守ってくれるというか…桐生さんといると“陽だまりの中”にいる気がします。干した布団のぽわーっとした匂い…いや、これじゃ伝わりませんよね…うん、陽だまり、陽だまりの中にいる気がするんです!」



“陽だまりのような”桐生さんの写真撮影時には、他メンバーが率先してスタッフ参加(笑)!
みなさんノリが良すぎます♪

続いて、おけぴスタッフもそのキレッキレのダンスが大好きな娘役さん、
<折原有佐(おりはらありさ)さん>の魅力もお聞きしました!

桐生)
「外見的には繊細そうだし、性格的にもぐいぐい前に出るタイプではないですが…強いです!中身にブレがない、だからダンスもブレない(笑)。芝居に自信がないとかなんとか、けっこうウジウジと言っていたりもするのですが、それが舞台に出ると男前な娘役になる。すごく戦っている子ですね」

牧名)
「自分自身に厳しい方、でも下級生には気さくに接してくださる。私、お稽古中に折原さんが歌っているのを録音して後からこっそり聴いているんです。“はあー、すごく綺麗”って(笑)」

蒼音)
「優しい柔らかい雰囲気で舞台の上でもホワっとしていることが多いですが、個人的にはガツンっと強い女になった時の魅力がすごいなと。イメージとのギャップですね。私がOSKに入る前に観客としてみていた頃の娘役さんたちの血を受け継いでいる、という気がします」

楊)
「綺麗な声で歌われるんですが、実はガツッと力強い声も出るし、見かけによらずパワーがすごい方です。清楚で優しそうな中に、根がしっかりと張った、揺らがない強さがあります」


そんな折原さん、今回の舞台での見どころは?
折原)
今回お芝居のパートで、ひとりで舞台の上で演技することに挑戦します。
自分の部屋で喜怒哀楽を表現するんですが、なかなか自然にいかず…今はまだ悩んでいます。
あ、これは見どころとは言えませんよね(笑)。
ラストのダンスパートでは、桐生さんにダイナミックなリフトをして頂いています。私は気持よく乗っているだけですが(笑)、ここも見どころだと思いますのでお楽しみに!



インタビュー中も某有名歌曲を練習する美声が響き渡っていました♪
<牧名ことり(まきなことり)さん>の魅力は…?
(意外な回答が続出です!)

桐生)
「“おやじ”です(笑)。お姫様みたいに見える“おやじ”。天衣無縫、それを無自覚でやっている人。私自身はちょっと神経質なところがあって言葉にしばられたりするんですけど、彼女にはそれがない。娘役として自由奔放なところがあるので、面食らうこともあるんですけど、それが思わぬ空気感を生み出すこともあって。自分の世界を持っていて集中出来る人なんですね。だから人の話を聞いていないように見える(笑)。まあ基本的に人の話はちゃんと聞いたほうがいいよ、とは言っているんですけどね(笑)」

折原)
「名前の通り、小鳥のように歌いたいと、今回もがんばってお稽古をしています。桐生さんとのデュエット曲は以前に他の娘役と桐生さんが歌ったものなのですが、牧名だとこんな感じになるのかという違う味わいを楽しんでいただけると思います」

蒼音)
「しっかりしているように見えて、かなりぼーっとしている。可愛いのに面白い方で、そのギャップが魅力ですよね。舞台に立った時はその世界に入り込ませてくれる力がすごい。だからこそ普段の姿に、ええっ!となるんですが(笑)」

楊)
「不思議な方です。清楚な娘役にも、強い女にも、何にでもなれる。無限大の表現力を持っていらして、本当にご自身は真っ白いキャンバスなんだなと」


では牧名さん、公演のイチオシポイントをお願いいたします。
牧名)
いつものOSKの群舞やダンスのシーンが少なく、歌がメインのステージになっています。
出演者も少ないですので、ひとりひとりに課せられたものが大きく、いい意味で“助けてもらえない”。
いま全員が、もがいています(笑)。
歌もクラシック的な歌唱法で歌う曲もあれば、うわーっと地声でいくものもある、
そのあたりの“もがき”も楽しんでいただければ。
ダンスも短い時間の中にリフト連発!の振付がありますので、こちらも楽しみになさっていてください。


今回の公演で退団することが発表されている<蒼音淳(あおとじゅん)さん>
稽古場でも周りへのフォローを欠かさない様子がうかがえました。

桐生)
「よく周りを見ていて気配りが出来る人。そしてOSKが一番大変だった時に入団してくれた人でもあります。私よりもさらに繊細で、周りには見せない悩みもあったと思いますね。2003年に入所して10年続けてきた男役の集大成を見せてほしい」

折原)
「ダンスで組んでいても目で通じ合えるんです。退団前の最後の公演で組むことができて本当に良かった。気持がとても優しい人。最後までやりきってほしいなと思っています」

牧名)
「稽古中、1日1回は泣いているんですよ。本来寂しくなって泣くべきは送り出すこちらだと思うんですが(笑)。今日も5回くらい泣いていましたね。最近では、もうまた泣いてるの?って(笑)。それくらい優しい柔らかいものを持っている人。見た目は大きくてゴツゴツしていますが(笑)。最後の男役をみせてほしいですね」

楊)
「頼れるお兄ちゃんです。桐生さんが長男で、蒼音さんはすぐ上のお兄ちゃん。舞台の上では大人の渋みがある。ただカッコつけているだけではなくて…大人の男性というか、パイプとかに凝っていそうなイメージの…うん、心豊かな紳士!という感じです」


男役10年目にしてのその決意、最後の舞台にかける思いは…?
蒼音)
今までに挑戦したことのないものが凝縮されたステージ。
なにが飛び出すかお楽しみに、という感じです。
私自身としては、最後の黒燕尾で踊るシーンを大切にしています。
やはり男役にとって黒燕尾って特別なものですから。
飾り立てず、シンプルな黒燕尾で、舞台人として素の部分で真っ向勝負する。
自分自身をどう表現するのかという、そこを頑張りたいですし、お客様にも見ていただきたいなと思っています。



さて最後は、名キャッチコピー連発の<楊琳(やんりん)さん>
舞台の上ではとってもかっこいい男役さんですが、はたしてその素顔は…?

桐生)
「ターザンみたいな野生児です。あまりくよくよしないし、明るいところを見ている。私自身がけっこう考えこむタイプなので、稽古場にこういう子がいてくれると助かります。家では色々と悩んでいるのかもしれませんけど。いや…どうかな(笑)」

折原)
「宇宙人…ですよね。私にないものを100%持っているので、見ていて面白いです。今回お芝居で組むところがあるんですけど、“あ、大丈夫っすよ”みたいな感じで(笑)。え、大丈夫なの!?って。正反対の2人の組み合わせをお楽しみください」

牧名)
「自然に逆らわずに生きている人。ムードメーカーですね。うるさい!と思う時もありますが(笑)、ポジティブに考えられるところはうらやましいなとも思います。悩みもあるのかもしれないけれど、それを外には出さないというのも才能なので、そういうところを味方につけている人、なにか持っているな、と思います」

蒼音)
「“二枚目も三枚目も出来るOSKの野生児”! 持っているものがとても明るくて、小学生みたいに自由。場の雰囲気、空気の作り方がとってもうまいのですが、そこに野生児的な部分がドーンと出てきて思わぬ展開になることもあります(笑)。でも稽古場の雰囲気がとても明るくなるので彼女がいてくれると本当に助かるんです」


稽古場で桐生さんの動き、アドバイスをしっかりと受け止めている様子が印象的だった楊さん。
公演のみどころは?
楊)
ピアノとウッド・ベースだけの演奏にあわせて歌うところ。
こんなに少ない音数の中で歌ったのは初めてで、音合せの時も「これは歌唱力が試されるな」と緊張しました。
でも同時に観ていただく方にとっては、そこが見どころ聴きどころになると思いますので、
ソロ曲、歌えるんだ♪と思ってがんばります。
それからラップをするシーンがあるのですが、やっぱりラップって決まらないとカッコ悪いので(笑)、そこを躊躇なくカッコよく決めたいと思います!





みなさま、ありがとうございました!

取材中のお稽古場でも、歌唱予定曲が何曲か聴こえてきたのですが、
スタンダードナンバーから、サラ・ブライトマンさんが歌ったことで知られるあの名曲、
そして桐生さんがお好きだという小田和正さんのあの曲まで、耳馴染みのあるナンバーがずらり。
これをピアノ、ウッド・ベースのシンプルな演奏と、歌声で楽しめるなんて、
これはなんとも贅沢なステージになりそうです♪

―“桐生麻耶”という存在はOSK、そして歌劇というフィールドの中だけではなく、
広くエンターテイメント界を見渡してみても、
他に並ぶものがいない強い個性と実力、そしてサービス精神をもった舞台人である。


…と、思わず宣言してしまいましたが、
これはOSKファンの方ならきっと強く頷いていただけると思います!



そんな桐生さんのパフォーマンスをまだ観たことがない、という方、
『桐生麻耶 トーク&ショー Gift~貴方への贈り物~』は、11月27日~29日まで、
大阪・大丸心斎橋劇場にて上演されます!
レビューというとちょっと構えてしまう、という方でも、
気軽に観ることの出来るトーク&ショーステージ。

5人の異なる個性が織りなす、贈り物のような舞台、
出演者からの“愛”を受け取っていらしてください!!






~ 速報♪:【初日舞台写真が届きました!(最終舞台稽古にて撮影) 】~




<公演情報>
『桐生麻耶 トーク&ショー Gift~貴方への贈り物~』
2013年11月27日-29日 大阪・大丸心斎橋劇場

<スタッフ>
構成:OSK日本歌劇団
音楽:鞍富 眞一
振付:芹 まちか
声楽指導:野村 ゆみ

<出演>
桐生麻耶/折原有佐/牧名ことり/蒼音淳/楊琳

 OSK日本歌劇団公式サイトはこちら

おけぴ取材班:mamiko(撮影/文)  監修:おけぴ管理人

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