2016年夏、連載開始から40周年を迎える少女漫画界の金字塔
『王家の紋章』が初めて舞台化される!その第一報が届いたときの驚きとよろこびと戸惑いの交り合ったドキドキ感。
あの人気キャラクターたちが生身の人間として歌い、踊り、恋をする。この記念すべきワールドプレミア公演の製作発表が行われました。

キャストのみなさんは扮装姿で登場!
【原作:細川智栄子さん、芙~みんさん】「みなさんのお衣裳を見て、キャラクターたちが動き出して、私たちが古代の『王家の紋章』の世界に入ったようなワクワクした気持ちになっております」(細川智栄子さん)
「8月、帝国劇場ではエジプトとヒッタイトを舞台に、素晴らしい音楽に乗せて愛が、夢が、そして嫉妬心や欲望がゆらめいて、みなさまのお心も満足していただけると思います」(芙~みんさん) とってもチャーミングな先生方のご紹介に沿ってキャストのみなさまのコメントをお届けします。
【雄々しい王(ファラオ)のメンフィス:浦井健治さん】「先生方が生涯をかけて紡いでこられた作品が帝劇で初めてミュージカルになるという、これこそがロマンであり奇跡だと感じています。(そんな記念すべき作品で)初の帝劇単独主演、0番(センター)に立たせていただくことに緊張もしています。同時に、僕が初めて観た『レ・ミゼラブル』の舞台や初帝劇の『エリザベート』で、いつもそばで優しく見守ってくださった祐さん(山口祐一郎)がここに居てくださることも、とても光栄です」(浦井さん) 脚本・歌詞・演出の荻田浩一さん、作曲・編曲のシルヴェスタ・リーヴァイさんらクリエイター陣も浦井さんとのご縁も深い方々、キャストも含めてこのメンバーならではの『王家の紋章』を作りあげる、その決意の表情はすっかりファラオの貫禄!

お互いに深々とお辞儀!
「本当に幸せです」(浦井さん) 【古代に迷い込んだ“ナイルの姫”キャロル:宮澤佐江さん(ダブルキャスト)】「私は今回ご一緒させていただくキャストの皆様の中でも、特に頑張らなきゃいけないと心に強く思っております。キャロルという可愛らしい女の子を私らしくしっかり演じたいと思っております」(宮澤さん)【古代に迷い込んだ“ナイルの姫”キャロル:新妻聖子さん(ダブルキャスト)】「私は幼いころから原作の大ファンです。女子目線でお話するとメンフィス、あっ、隣にメンフィスがいる!…落ち着いて!(気を取り直して)メンフィスやイズミルS、世界イケメン図鑑のエジプ&トルコ代表みたいな人が出てくるお話です。思うにメンフィスは少女漫画史における“元祖オレ様男子”。強引で、でもちょっと優しくて、そして権力を持つ王で美しい…女性の理想が全部詰まっています。昨今、“壁ドン”とか“顎クイ”とかありますが、メンフィスは腕を折っちゃいますからね」(新妻さん)
「過激な愛され方を一度知ってしまうと、現代社会の普通の愛情で足りるんでしょうかね(笑)。そんなことをお父さんとしては心配します。それでも、現代社会の中で、規制の中で忘れられてしまった人間の素直な愛情表現を、舞台の中でこっそり垣間見られれば良いなと思います」(山口さん) 【ヒッタイトの英明なイズミル王子:宮野真守さん(ダブルキャスト)】「これは歴史的瞬間なんだなということを改めて感じています。今はとにかく楽しみで仕方ないですし、最後にはメンフィスに勝ってやろうと思っています(笑)。それくらいの気持ちで戦っていきます」(宮野さん)
思わぬ宣戦布告が飛び出しました(笑)!
【ヒッタイトの英明なイズミル王子:平方元基さん(ダブルキャスト)】「『王家の紋章』は、とても五感をくすぐる漫画だなという印象がありました。その温度や質感を丁寧に表現したい。各人が運命に翻弄されている、逃れられない運命を背負って生き続けているところが原作の魅力だと思います」(平方さん)【妹をいつも案じている優しいライアン】「この中だと、僕のほうが不思議な格好に見えますね(笑)。
現代代表は私1人だけですか?聖子ちゃん、あなたはすぐエジプトに行っちゃうでしょ!彼女がエジプトに行ってしまったら、僕は孤独に駆られるんでしょうね」(伊礼さん) ライアンの孤独については、
荻田さんの衝撃発言が…
「この作品は古代と現代を行き来する物語ですが、現代担当が伊礼さんしかおりませんので、現代のパートがいかに端折られるか想像に難くないと思われます(笑)。いなくなった妹を探し求めるライアンさんの孤独をおひとりで背負ってくださるんじゃないかと…」(荻田さん)【艶やかな美しいアイシス嬢:濱田めぐみさん】「リーヴァイさんの音楽の魅力は人間の感情の動きに沿っているメロディ。楽しいことを考えている瞬間にも、ふと人は哀しい瞬間や辛い瞬間がよぎる。それがちゃんと音に現れているのです。ひとつひとつの曲も粒立っているのですが、曲たちがひとつにまとまって一つの作品になったときにリーヴァイさんの曲が完成する。ひとつの宇宙のような音楽世界です」(濱田さん)【偉大なるイムホテップ宰相:山口祐一郎さん】「愛とロマンスのためなら、時代を超えて空間を超えて、そしてあらゆる犠牲を超えて達成するというのはなんと素晴らしいことでしょうか。みなさんの“今年の夏は愛とロマンスの溢れる夢のような舞台でひと時を過ごせたら”というお話を“うわぁ、素敵だなぁ”と聞いておりました」(山口さん)
「でも、ふと我に返ると、僕は何も関係ない。あ、そうなんだ、そういう役なんだなと今改めて再発見したところでございます」(山口さん)
「ロマンチックなところじゃなくてスミマセン」(荻田さん) 【脚本・作詞・演出:荻田浩一さん】「時代を旅するSF的な要素はこの作品が持っている魅力の1つですが、やっぱり一番の魅力はものすごくロマンチックな夢物語であること。8月の帝劇をあま~い夢でいっぱいにしたいと思います。そこでの力強い味方は、音楽です。音楽が2人の愛のさすらいの世界へ観客の皆様を無理なく連れて行ってくれる。ロマンチックな曲をロマンチックなシチュエーションでたっぷり味わっていただくというのが、この作品の醍醐味ではないでしょうか。」(荻田さん) 個性的なキャラクターを色濃く立ち上げる際に肝になりそうなことは…
「この作品が愛されているのは、さきほどの美しい・綺麗・甘いというだけではなく、そこにうごめいている人間関係の業の深さが描かれているからだと思います。ただ、そこを全面に出してしまうと、絵の印象から受ける美しさを損なってしまうので、美しさを損なわない程度に皆がいかに荒々しく生きていけるかが肝になるでしょう。(今日の)歌稽古の時にもお願いしたのは、特に古代の皆様は現代のひ弱な人間ではなく、それぞれが人間としての生命力、エネルギーに満ち溢れたキャラクターであってほしいということ。皆運命に翻弄されながらも、運命に抗って戦っている。その雄々しさが美しいと思うので、ロマンチックさと共に、一人一人の力強さというものを皆さんと一緒に構築していこうと思います」(荻田さん) 奇跡、歴史的瞬間という言葉も飛び出すミュージカル『王家の紋章』ワールドプレミア、開幕は8月6日です!
帝劇に荻田マジックがかかる、素敵なキャラクターとともにいったいどのような旅ができるのか、今から楽しみですね。
ミュージカル『王家の紋章』製作発表レポート~歌唱披露&おまけ~もあわせてお楽しみください。
おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) おけぴ管理人(撮影)