これは体感型エンターテイメントミュージカル──
「ジャンルは『ピピン』です」(城田優さん) 人気作曲家スティーヴン・シュワルツ(ミュージカル『ゴッドスペル』『ウィキッド』)が作詞・作曲を手掛けたミュージカル『ピピン』は、ボブ・フォッシー(ミュージカル『シカゴ』、映画版「キャバレー」)による演出と振付で1972年にブロードウェイで初演!
2013年、ブロードウェイでリバイバル上演。息をのむほどのエキサイティングな新演出で大絶賛を浴びたのはダイアン・パウルス(トニー賞最優秀演出賞を獲得)、2015年9月の来日公演も大好評でしたね。
ダイアン・パウルスをはじめ、新演出版を手掛けたクリエイティブ・チームが再集結し届けられる『ピピン』日本版!タイトルロールのピピンには城田優さん、ピピンを、物語を、観客を導くリーディングプレーヤーにはCrystal Kayさん、ほかにも多彩なキャストとの融合が楽しみな公演。ボブ・フォッシーのスタイルを踏襲した刺激的な ダンスと、シルク・ドゥ・ソレイユ出身のアーティストが手掛けたスリリングなサーカスアクロバットも大きな見どころです。
開幕に先立ち、城田さん、Crystal Kayさんによる囲み取材、ワクワクの公開ゲネプロが行われました。
城田さん
「いつも同じようなことを言っていますが、今日こそ断言します!これは城田優のミュージカル史上一番難易度が高い!!チャレンジングでスリリング、誰が見てもスゴイ。目で見てわかる作品です。
今後も僕が演じる役としては、これ以上に大変な役はないと言い切れる。男に二言はありません。
そして、僕もそうですが、彼女。初ミュージカルでこの大役はほんとにすごいこと。歌も芝居もブロードウェイのスーパースター、トニー賞をとった方と同じレベルを求められる。彼女はそれを超えてきています!」Crystal Kayさん
「とにかくお客様もご自分が参加しているような気分になると思います。喜びや感動がぐわっ~と沸きあがってきます。同時に演じていながら、お客様側の感情もある。不思議な作品です。ストーリーはわかっていて、出ているのに毎回わぁ、スゴイ!と思うんです。そして、あ、出番だ!と(笑)」城田さん
「ミュージカルというジャンルを超えている、つまりジャンルは「ピピン」。こんなに素晴らしいショウを日本で上演できることを誇りに思うし、本当になかなかない。この僕の言葉が本当か、ぜひ観にきてください」【公開GP】
旅芸人一座のショーが、今まさに始まろうとしている―。
カリスマ的なリーディングプレーヤーが登場し、観客を大いに魅了する。
一座が披露するのは、純真な若き王子ピピンの物語。♪Magic to Do、オープニングから一気に『ピピン』の世界に導かれます。
写真中央 リーディングプレーヤー(Crystal Kayさん)
まるで魔法の世界へ迷い込んだようなワクワク感。右を見ても左を見ても「ワァ!」と感嘆の声が漏れそうになるような景色。全てを見透かしたようなCrystal Kayさん演じるリーディングプレーヤーの導きへ身をゆだねるしかない!!大きな力で物語をけん引するリーディングプレーヤーです。
そこに登場するのはピピン(城田優さん)
登場の仕方もサプライズ♪
大学で学問を修めたピピンは、人生の大いなる目的を模索中。
そんなピピンをリーディングプレーヤーが導き不思議な旅が始まります。
ピピンの家族、超個性的な王家の皆様をご紹介♪
ルイス(岡田亮輔さん)バーサ(中尾ミエさん・Wキャスト)、ピピン、チャールズ(今井清隆さん)、ファストラーダ(霧矢大夢さん)
ピピンの父、戦意高揚にご執心の神聖ローマ帝国皇帝チャールズに今井清隆さん。深みのある美声とオチャメな振る舞いのギャップ!ピピンの義母ファストラーダに霧矢大夢さん。実息ルイスに王位を継がせるためよこしまな企みを巡らせる。自称・普通の主婦(笑)。ダンスに歌に芝居に攻めまくる霧矢さん。かなり強引なファストラーダですが、憎めないかわいらしさが印象的。
王位継承順位はピピンに次ぐ第二位、精悍な戦士だがオツムは弱いルイス王子に岡田亮輔さん。戦士のダンスがコミカルで忘れられません!!
そしてピピンの祖母バーサには中尾ミエさん(前田美波里さんとのWキャスト)。田舎の別宅で気ままな隠居生活を満喫するスーパーおばあちゃまです!!
【真逆?!】霧矢さんの慈愛の母といえば…ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』おけぴ観劇会情報はこちら 写真中央:キャサリン(宮澤エマさん)こちらはオープニングの旅一座の一員としてのシーンです。キャサリン役の女性♪
旅先で行き倒れたピピンを介抱するシングルマザーのキャサリンには宮澤エマさん。息子のテオ(河井慈杏さん、日暮誠志朗さんのWキャスト)と暮しています。エマさんはキャサリン“役”以外にも、サーカス団の一員としても登場。劇中劇の色合いが濃くなるキャサリンのシーン、でも、そこから「実」の世界への飛躍も感じられる。謎の多い存在。
旅一座が見せるピピンの物語。
物語に没入したかと思うと、出トチリしたり、ダメ出しがあったり…虚実が入り乱れながらも、それすら心地よくなる展開。すっかりピピンの世界の住人気分。
途中、繰り広げられるアクロバットやダンスには思いっきりリアクションしてしまいましょう!
バーサおばあちゃまの教え「悩んでばかりで大切な時間を無駄にせず、人生を楽しみなさい」がピピンの背中をやさしく押します。バーサ最高!!
♪Corner Of The Skyをはじめとするシュワルツの名曲を歌う城田さん。繊細な歌声がピピンのナイーブさと重なります。決して聖人君子でもなければ、スーパーヒーローでもない、ちょっと不思議なタイトルロール。王子なのにとっても軽装だし(笑)!ご自身、年齢的にも今回限りかも…とお話されていましたが、うぶゆえの透明感、残酷さを併せ持つピピンをとても魅力的に演じています。
人生の目的を探す若き王子ピピンの旅。哲学的かなと思ったら肉欲に溺れたり、ファンタジーの中にもしっかりと描かれる人間の生き方、幸せ。これはこの作品が生まれた70年代のアメリカ、ベトナム戦争末期という社会情勢を色濃く反映しながらも、現代にはまた違う響きを持ちます。なーんてことも含みつつ、まずはとにかく美しく、楽しい世界へGO!
旅で出会う人々、事件は、まさに人生の局面を凝縮したような出来事。迷いながらも前に進むピピンの旅のフィナーレはいったい。
ピピンが追い求めた
「特別な人生」とは…。
「一生忘れられないフィナーレをお目にかけましょう」リーディングプレーヤーのこの言葉に集約されたミュージカル『ピピン』。これは体感型のエンターテイメントです♪
サーカスの妖しい魅力っていくつになってもドキドキしますね
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人