古代と未来の往還、日常と宇宙を繋げる旅。
そこで人はなにと出会うのか──
前川知大期待の新作がいよいよ開幕! 劇作家・演出家前川知大が世田谷パブリックシアターでてがけてきた『奇ッ怪~小泉八雲から聞いた話』(09年)、『現代能楽集VI 奇ッ怪其ノ弐』(11年)、『遠野物語・奇ッ怪其ノ参』(16年)──
そして第四弾は奇ッ怪シリーズを離れ、宇宙や未来を、ギリシャ神話をモチーフとしながら描くSF作品、青年ユーリ(山田裕貴)の「長い旅」を描いた物語『終わりのない』がいよいよ開幕しました。
《初日コメント~初日を終えた現在の心境~》
前川知大[脚本・演出]
カーテンコールの瞬間に、お客様に伝わった感覚がありました。今回の作品には沢山のテーマが含まれているけれど、お客様 それぞれに受け取るところがあると思います。
当然舞台は言葉で台詞で説明をしていくけれども、お客様には何を伝えたいというよりも「体感」してほしくて、今回のテーマじゃないけれど、観てる人の無意識に届けばいいなと思っています。
そういう点では、多くは説明しない、シンプルで、ただドーンと大きな玉をお客様の心の中に投げるような美術もすごく合っていて、是非体感しに来てほしいです。
もっともっと良くなっていくと思う。良い初日でした。山田裕貴[ユーリ 川端悠理役]
“終わりのない”旅が、舞台が、始まったっていう感じです。自分が届けられるものを探しながら、お客さんに何を持って帰ってもらえるだろう、という旅ですね。とにかく、感想が気になります。今回の稽古場は“おウチで一緒にお芝居のことを考えている”ような感覚でした。それぐらいあったかいし優しい時間が流れていて、 居心地が良かったです 。
僕がこうやって世田谷パブリックシアターに立てているなんていうのは、もう想像もしていなかったので、そこにも感動を覚えています。本当に観てもらうだけで感謝ですし、お客さんの心に届くものになればと願って一生懸命やるので、皆さん、何か持って帰ってほしいです。奈緒[アン/能海杏役]
舞台って、始まったらみんなで突っ走って終わってしまうんだな、と感じています。お客さんの反応がない中で稽古をしていて、「ああ、こういうところで笑ってくれるんだ」とか「こういうところで反応が返ってくるんだ」というのがすごく新鮮で、お客さんが作っていくってこういうことなんだな、と思いました。
前川さんの作品は、本当に不思議なのに、最後に「ああ自分の話だな」と思えるくらい引き込まれるところがあって。自分がその中に参加させてもらって、初舞台で前川さんとご一緒できて、本当にしあわせな気持ちでいっぱいです。
この作品は、観てくださる方がいて、みんなで一緒に旅をしていくような舞台となっていると思います。ぜひ劇場で私たちと一緒に旅をして下さい。仲村トオル[シロウ/山鳥士郎役]
稽古場の後半から、多分これは素晴らしいものになるだろうなと感じていて、今日初日を終えて、やっぱりその通りだったと思いました。
最初にこの話を聞いた時は、神話、神様、宇宙、と壮大な風呂敷を広げたなと思いましたけど、「神と人類」の話であり「親と子」の話でもあるので、壮大でありながら、本当に身近な芝居になったと思います。誰もが親がいる、誰もが誰かの子である。誰も人ごとではない芝居なので、皆さんに何か感じるものがあると思います。
個人的なことを言えば、2005年に初めて世田谷パブリックシアターの舞台に出て以来、前川さんの「奇ッ怪」シリーズをはじめ様々な演出家の方の作品に出たりと、とにかくここには良い思い出しかないんです。きっと今回もそうなるんだろうなと感じています。
この記事は公演主催者からの情報提供によりおけぴネットが作成しました