「元始、女性は実に太陽であった。」の巻頭の辞とともに創刊された
女たちの手による女のための文芸雑誌「青鞜」。
激動の大正時代を駆け抜けた男女を描いた、宮本研の代表作に
20代の研修生が3年間の研修生活の集大成として向き合います。
第16期生が、朗読劇『ひめゆり』、試演会『燃ゆる暗闇にて』を経て、いよいよ修了公演に臨みます。研修生活3年間の集大成として挑む作品は、宮本研 作『ブルーストッキングの女たち』です。
「元始、女性は実に太陽であった」という巻頭の辞を掲げ創刊された、女性による女性のための文芸誌「青鞜」。本作は、青鞜社が結社した翌年、大正元年から関東大震災が起きた大正12年までの大正モダニズムの時代精神を描いた作者の代表作のひとつです。
時流に迎合することなく女性解放運動をリードした、平塚らいてう、伊藤野枝をはじめとする青鞜社の女性たち、彼女たちを取り巻く大杉栄、荒畑寒村といった社会運動の先導者のほか、日本演劇史のキーパーソンである島村抱月、松井須磨子など、大正デモクラシーの論壇を彩った実在の人物が多数登場します。
今年は関東大震災の発生から100年にあたる年です。20代の若者たちが、社会のあり方に真剣に向き合い、自由な生き方を必死に求め続け、そして恋愛にも貪欲に懸命に生き抜いた様子を、同世代の研修生たちが等身大で演じます。
稽古場より
稽古場より
稽古場より
新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年春に入所した第16期生は、研修当初から授業がオンラインになり、常時マスクを着用して研修・稽古を行うなど、制限された研修生活を送ってきました。その中でもひたむきに研鑽を積み、いよいよプロの俳優としての第一歩を踏み出そうとする彼らの渾身の舞台を、2012年(第6期生)試演会でも同作を手がけた演劇研修所長・宮田慶子による演出で、どうぞご覧ください。
ものがたり
「青鞜」創刊の翌 1912 年、編集長の平塚らいてうを慕う伊藤野枝が九州から上京してくる。同じころ、無政府主義者の大杉栄は「平民新聞」を創刊し、研究会や座談会を開きながら活動を続けていた。野枝は女学校で出会った英語教師 辻潤との間に子をもうけるが、らいてうから「青鞜」を譲り受け、その家庭生活は崩れていく。やがて野枝は、「近代思想」を復刊した大杉と接近し、二人は次第に仕事のパートナー、同志として深い仲となっていった……。
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました