シアタークリエ10周年のお祝いステージ『TENTH』、第2週(1月14日(日)~21日(日))が始まりました!シアタークリエで日本初演されたオフ・ブロードウェイ発ミュージカルをダイジェストバージョンでお届けする第1部に、ミュージカル『ニュー・ブレイン~僕の中に春をいっぱい感じる~』(ダイジェストバージョン)が登場です。第2部のガラコンサートもミュージカルナンバーのチカラをこれでもかと見せつけるひととき。ゲネプロの様子をレポートいたします。
第2部のキャスト、セットリストは日替わりです。『TENTH』第1週のレポはこちら【暖かい春の日差しのような人生讃歌『ニュー・ブレイン』】
音楽家ゴードン(石丸幹二さん)
1998年初演、シアタークリエでは2009年3月に上演されました。本作は作詞・作曲を手掛けたウィリアム・フィン氏の体験に基づく真実の物語。病に冒され開頭手術を受けなければ命が危ない……そんな状況に直面した音楽家の脳裏に浮かぶもの。こう書くとさぞシリアスなんだろうと思われるかもしれませんが、そこにはミュージカル・マジックが!死を前にした音楽家の人生観を軽やかで温かく賑やかなナンバーで描く作品です。ダイジェストバージョン演出は上島雪夫さん。
強烈なキャラクターたちに囲まれ、右往左往なゴードン
負け組を自称する看護師リチャード(五大輝一さん:弾けたキャラ、しかも美声!!)、医師(本間ひとしさん)、牧師(伊礼彼方さん)、ゴードン(石丸さん)、ホームレスの女性リサ(マルシアさん:独自の人生哲学で生き、一番世間が見えているカッコよさ!パワフル!)、友人ローダ(樹里咲穂さん)、看護師(中村百花さん)
作曲の締め切りに終われる日々の中で、死に直面。そこで改めて存在感を増す愛。不思議なお話ですが、自分のなすべきことへの葛藤、母や恋人の前で弱さをさらけ出すゴードンの人間味は本物。観客はそこに心を動かされ、笑い涙するのでしょう。そして、彼の人生を彩るのは“豊かな音楽”♪
未来への不安から別離を申し出るゴードンに優しく寄り添う恋人のロジャー(畠中 洋さん)
ゴードンの母ミミ(初風 諄さん)の温かさと強さにホロリとさせられます
そして、ママ、とってもお洒落!
とてもイケイケな人々(本間さんの躍動感がすごいっ!)、後ろにいるのは……
この作品は10名のキャストがクルクルと変身し芝居からコーラスまで大活躍なのです!
ついにはゴードンの幻想の世界へ。
ゴードンの幻想の世界もポップに描かれます
(樹里さんピエロ(腹話術人形)に目が釘付け!!こうして幻想の世界でも大活躍なローダもゴードンにとって大切な人なんですね。)
作曲の依頼主であり、着ぐるみカエルの中の人ミスター・バンジー(赤坂泰彦さん)
カエルくん、ゴードンの悩みの種でもあるけれど……作品のカギを握るキャラクターです!
ゴードンとしてほぼ出ずっぱりで歌いっぱなしの石丸さん、石丸さんが作り出す“音楽に包まれた幸福感”がサブタイトルにもある「僕の中に春をいっぱい感じる」に柔らかく繋がります。そうそう、この作品は石丸さんの劇団四季退団後の第一作目としても話題でしたね。
ストーリー(HPより)
ニューヨークに住む売れない音楽家のゴードンは、子供番組に音楽を書き下ろして生活費を稼ぐ日々を送っている。今日も、着ぐるみのカエルが歌い踊る楽曲のことで頭がいっぱい。そんな中、突然の頭痛とめまいに倒れる。検査の結果、脳手術を受けなければ命が危ないと宣告される。死を身近に感じる中、果たせなかった夢、生み出せなかった曲への情熱に揺れ動く。涙と笑いに溢れ、人生の喜怒哀楽すべてが詰まった、おもちゃ箱のようなミュージカル。
【アダルトな魅力からカワイイまで?!これぞガラコンサートな第2部】
この日のセットリストは、『GOLD~カミーユとロダン~』『ブラッド・ブラザーズ』を中心に構成され、両作品の世界をじっくりと味わうことができました。もう、幸せ!
互いを求めながら、近づくと傷つけ合ってしまう。オーギュスト・ロダンとカミーユ・クローデル、二人の天才芸術家の狂おしい愛を描いたミュージカル『GOLD』(2011年)。(
おけぴレポ)
曲を聴いてよみがえるあの世界。改めて素晴らしい楽曲の数々に震えます。
師弟であり、男と女でもある、石丸さんと新妻さん、お二人の絡み合うような大人の歌声にうっとり。お二人のデュエット♪愛の学習、物語の結末を知っていると切ない。
♪翼を広げて:ロダン(石丸幹二さん)
♪腕の中の女:カミーユ(新妻聖子さん)
♪天使の園:ポール(伊礼彼方さん)
道を踏み外した姉を引き戻そうと諭す弟ポールの♪天使の園。深みのある石丸さんのロダンと好対照となる若々しい高音を響かせる伊礼さんのポール。カミーユという女性をめぐる二人の男の愛、そこにも音楽の魔法を感じます。
♪黄金(GOLD)
タイトル曲♪黄金(GOLD)、新妻さんの絶唱。ミュージカルを一本観た!くらいに心が満たされました。カミーユの愛と才能、神々しい!!
(思わず、聖子さま!と拝んでしまいそう) こちらは『アンナ・カレーニナ』(2010年)、ロシアの文豪トルストイの小説を原作とする、美貌のアンナ・カレーニナと青年将校ヴロンスキーの悲劇の愛を描いた作品から。♪WE WERE DANCING…。僕ら、それはもちろんアンナに向けられているのですが、その視線の先に彼女が見えるような歌唱です。切ないメロディラインの中に、甘美な演奏が交わる、とてもドラマティックなナンバーです。(
おけぴレポ)
♪WE WERE DANCING:ヴロンスキー(伊礼さん)
続いてはガラリと変わり!ロンドン、子だくさんのジョンストン家の双子の数奇な運命を描いた『ブラッド・ブラザーズ』(2009年)のお二人、藤岡正明さんと田代万里生さんの登場です。
双子と知らずに二人が出会うのは7歳!!(可愛すぎて閲覧注意・笑)♪長い長い日曜日。
ミッキー(藤岡正明さん)
エディ(田代万里生さん)
やんちゃなミッキー(藤岡さん)と良家のご子息エディ(田代さん)どちらも可愛い!そして、カワイイだけじゃない!そのハーモニーもソロも耳が幸せ~!
エディ(田代さん)の♪言わない気持ち、デュエット♪あいつに 数曲の中でも成長していくブラザーズです。
そして、新妻さん、田代さんと言えば…お二人が結婚前夜のカップルを演じた『トゥモロー・モーニング』です。(
おけぴレポ)
♪suddenly キャット(新妻さん)、ジョン(田代さん)
そして、ラストは『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』より、新妻さんが演じたブレンダの歌う♪Fly, fly away。ひと言、泣いた!(
おけぴレポ)
もう、この曲に乗ってどこまでも行けそうです!
♪Fly, fly away:ブレンダ(新妻聖子さん)
【おまけ:MCコーナーもお楽しみに】
さあ、どんなお話が飛び出すか!!歌唱とMCのギャップも楽しいです。
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人