世田谷パブリックシアター×パソナグループ
『CHIMERICA チャイメリカ』
作=ルーシー・カークウッド翻訳=小田島則子
演出=栗山民也撮影:笠井爾示
出演=田中圭 満島真之介 倉科カナ 眞島秀和 ほか
2019年2月6日(水)~24(日)会場世田谷パブリックシアター
主催=公益財団法人せたがや文化財団 パソナグループ
企画制作=世田谷パブリックシアター パソナグループ 後援=世田谷区ローレンス・オリヴィエ賞受賞・社会派現代戯曲を、
栗山民也演出で本邦初演!
世田谷パブリックシアターとパソナグループの新たな共同制作作品として、気鋭の英国人劇作家ルーシー・カークウッドの『CHIMERICA チャイメリカ』を栗山民也演出により、日本初上演いたします。
田中圭さん 撮影:笠井爾示
満島真之介さん 撮影:笠井爾示
倉科カナさん 撮影:笠井爾示
眞島秀和さん 撮影:笠井爾示
瀬戸さおりさん 撮影:笠井爾示
池岡亮介さん 撮影:笠井爾示
キャストコメントなどは既報の通り 『CHIMERICA チャイメリカ』は、1984年生まれの英国の
若手劇作家ルーシー・カークウッドにより劇作、2013年5月アルメイダ劇場で初演され、2014年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作プレイ賞を含む5部門で受賞した社会派戯曲。
ユーモアにあふれた軽快な会話劇でありながら、重大な歴史的事件を背景に、空間・時代を行き来する複雑な構造の本作に、日本を代表する
演出家・栗山民也のもと、映像や舞台など多方面で幅広い活躍を見せる
実力派・田中圭をはじめ、力強い出演者が挑みます。
2013年ニューヨークマンハッタンのギャラリーでの写真展、
1989年の天安門事件に居合わせたアメリカ人ジョー・スコフィールドがとらえた一枚の写真が人々の目を引いている。
―――1枚の写真、それはアメリカ人によって撮影されたもの
白いシャツを着て、買い物袋を二つ下げた中国人の男が隊列を組む戦車の前に立っている
それはヒロイズムの写真である
それは抗議の写真である
それはある国を別のある国がとらえた写真である
2012年の現代のニューヨークと1989年の天安門、時代と国を行き来しながら、ジョーと彼の中国の友人ヂァン・リン、そしてその周囲の人々が、
写真に収められた瞬間から断ち切れない運命のうねりにのみこまれていく。
満島は、アメリカ人カメラマンジョー(田中)の中国に住む旧友ヂァン・リンを演じますが、田中と満島の舞台作品での共演は、複雑な感情をぶつけ合う兄弟役で濃密な距離感を見せた2015年『夜への長い旅路』(演出:熊林弘高シアタートラム)以来、およそ三年ぶりとなります。
また、ジョーと親密な関係になる有能なキャリアウーマンテスを演じる倉科は、映像作品で精力的な活動を続ける一方で、舞台での活躍も目覚ましく、2015年世田谷パブリックシアター主催公演現代能楽集Ⅷ『道玄坂綺譚』(作・演出:マキノノゾミ)に出演した際にも、その演技が注目を集めました。同じく上記作品に出演し、今年6月の舞台二兎社『ザ・空気ver.2〜誰も書いてはならぬ〜』(作・演出:永井愛)での好演も記憶に新しい眞島は、武骨で心優しいヂァン・リンの兄ヂァン・ウェイを演じます。
また、若き日のヂァン・リンには、『関数ドミノ』や竹生企画『火星の二人』でも抜擢をうけた若手俳優
池岡亮介、その妻リウ・リを演じるの はてがみ座『風紋~青の果て』ハイバイ『夫婦』など舞台での活躍が目覚ましい女優
瀬戸さおりです。
“チャイメリカChimerica”とは、07年に米国の経済史学者でハーバード大学教授のニール・ファーガソンらが、「チャイナ(China)」と「アメリカ(America)」を合わせ、その共生関係を表す意味で使用した造語で、米紙ニューヨーク・タイムズによる09年の“世界の流行語”にも選ばれました。本作は、その造語をタイトルに、89年に中国で起こった天安門事件を背景にしながら、現代に生きるわたしたちが抱える問題を映し出す意欲作です。軽快でありながら切実な問いかけを内包する傑作戯曲『CHIMERICA チャイメリカ』、どうぞご期待ください。
現代に生きるわたしたちが抱える問題を映し出す意欲作です。軽快でありながら切実な問いかけを内包する傑作戯曲『CHIMERICA チャイメリカ』、どうぞご期待ください。
【栗山民也さんコメント】
1989年とは、どんな年だったか。元号が「昭和」から「平成」に変わり、秋にベルリンの壁が崩壊。そして中国の天安門では、民主化運動の前に戦車という暴力が立ちはだかった、そんな大きな歴史の続いた年だった。この作品は、その1989年の北京と、現代のアメリカを往還するドラマである。
なんだかぼんやりとして曖昧な今の日常だからこそ、この時代に跳び、あの広場で戦車と素手で向き合った一人の男を写した「一枚の写真」が、何を語り、何をリアルに映し出したのか、見つめてみたい。あらすじ
89年6月4日、民主化を求める学生を中心とした一般市民と中国政府が、天安門広場で衝突した。そこに居合わせた18歳のアメリカ人ジョーは、買い物袋を両手に下げた一人の男が戦車の前に立ちはだかる様子をカメラに収め、その写真は“戦車男=タンクマン”として世界に衝撃を与えることになった。それから23年後、中国人の旧友ヂァン・リンから、“タンクマン”にまつわる衝撃の事実を聞かされたジョーは、彼の軌跡を追い始める。
【この度発表された瀬戸さん、池岡さんのプロフィール】
瀬戸さおり(せとさおり)1989年9月19日生まれ。福岡県出身。主な出演作に、日本テレビ『ドS刑事』『Missデビル人事の悪魔・椿眞子』、テレビ朝日『トットちゃん!』、舞台『マッシュホール』(演出:上村聡史)、『プルーフ/証明』(演出:和田憲明)、『野狂~おのしのこのし~』(作・演出:松村武)、『君が人生の時』(演出:宮田慶子)、てがみ座『風紋~青のはて~』(脚本:長田育恵・演出:田中圭介)、ハイバイ15周年記念公演『夫婦』(作・演出岩井秀人)など。今年1月公開の初主演映画『愛の病』(監督:吉田浩太)での熱演が話題を集めた。
池岡亮介(いけおかりょうすけ)1993年9月3日生まれ。愛知県出身。主な出演作に、フジテレビ『グッド・ドクター』、関西テレビ『メディカルチームレディ・ダ・ヴィンチの診断』、WOWOW『本日は、お日柄もよく』『沈黙法廷』、舞台『十二夜』(演出:青木豪)、『つかこうへいTriple Impact』『ロマンス』(演出:中屋敷法仁)、『時をかける少女』(演出:成井豊・真柴あずき)、『シスター』(演出:鈴木勝秀)、『柔道少年』(演出:中屋敷法仁)、『関数ドミノ』(演出:寺十吾)、竹生企画『火星の二人』(作・演出:倉持裕)など。
【おけぴコメント】
先日、世田谷パブリックシアターにて上演されていた『チルドレン』(パルコ)。こちらも作:ルーシー・カークウッド、演出:栗山民也コンビでしたね(ちなみにそちらは翻訳:小田島恒志さん)。知的でエロティックなシビレル戯曲、人間ドラマが浮かぶ上がる演出。原発をひとつのキーワードに、次世代への責任、自らの功罪を描きながらも、男女関係の機微~恋人、夫婦~、親子関係、生き方……ただならぬ展開に夢中で観ていたことが思い出されます。
演劇は、現代を映す鏡。栗山さんが立ちあげる『CHIMERICA チャイメリカ』にも期待です!
この記事は公演主催者からの提供により、おけぴネットが製作しました