『ダーウィン・ヤング 悪の起源』、架空の階級社会の中で最上位に位置する全寮制の学生たちの苦悩と悲劇を描いたパク・チリさんによる長編小説がソウル芸術団の手によりミュージカル化されたのは2018年のこと。三世代にわたる壮大なる人間ドラマと、雄弁で心に寄り添う音楽の力で評判を呼び、韓国ではすでに三演が実現する人気作となりました! 若さのきらめきと背負う宿命のコントラストが、芝居、音楽、照明で鮮やかに描き出される『ダーウィン・ヤング 悪の起源』日本初演、シアタークリエで開幕です!! 速報として、登場人物&おススメの曲をご紹介。ダーウィン・ヤングを演じる大東立樹さんからのコメントも!
主要登場人物は──
【プライムスクールの生徒たち】
ダーウィン・ヤング:大東立樹
持ち前のキラッキラ感と繊細さで表現──からの終盤の変貌ぶりには目を見張るものがある大東ダーウィン
★コメント★ダーウィン・ヤング:大東立樹(ジャニーズJr.) Wキャスト
「初日を迎えるにあたり、改めてこのカンパニーの一員として舞台に立てることに大きな喜びを感じています。日々の稽古から蒼くんと互いに刺激し合い、自分なりにこの作品と向き合ってきました。オーケストラと物語が一体となるこの作品には、ミュージカルの偉大さの全てが詰まっていると思います。「大千穐楽を終えるまではダーウィン・ヤングとして生き続ける」をモットーに、お客様に最高の作品をお届けします。劇場にて、お待ちしております。」
ダーウィンの親友となるレオ・マーシャル:内海啓貴
自由を愛する強さ、すべてがカッコイイに全振りしている内海レオです!
ダーウィンが密かに想いを寄せる幼馴染の同級生ルミ・ハンター:鈴木梨央
真実を追い求める強い意志、成長、彼女のドラマをしっかりと立ち上げる鈴木さんのルミ
【親世代】
3人の若かりし日の姿!
ニース・ヤング:矢崎 広、ジェイ・ハンター:石井一彰、バズ・マーシャル:植原卓也
ダーウィンの父で教育部長官のニース・ヤング:矢崎 広
息子でもあり父でもある、幅の広い表現力が必要とされるニースを大好演!豊かな歌声♪
ニースの同級生ジェイ・ハンター(16歳の時に殺害される):石井一彰
一幕は謎めいて、二幕はぐっと実像が浮き彫りに……なかなか衝撃の石井ジェイ
レオの父でドキュメンタリー映画の監督バズ・マーシャル:植原卓也
屈折と情熱を併せ持つ植原バズと内海レオの親子関係にも注目!
ジェイの弟でルミの父ジョーイ・ハンター:染谷洸太
もやもやを抱えて生きていく複雑な染谷ジョーイ。若き日のジョーイもいいですよ!!
ジェイの追悼式典を機に物語が動き出します。おじさんの死の真実を探る娘・ルミと父・ジョーイの関係も。父子関係が色濃く描かれる中で、ハンター家の娘ルミという存在も物語のひとつの鍵に。
【祖父】
ダーウィンの祖父ラナー・ヤング:石川 禅
もはや説明不要、16歳から、60年後の76歳まで、説得力たっぷりに魅せます!
現代と、30年前の殺人事件、60年前に起きた「12月革命」、3つの時間を行き来しながら解き明かされる衝撃の真実。
開幕速報として、いろいろとグッとくる一押しナンバーをご紹介いたします♪
「ウィンザー・ノット」 ニースとダーウィンの親子が歌うナンバー
格調高い結び方、ウィンザー・ノットを教える父ニース、「息子も16歳になり、ネクタイを結ぶようになった」その喜びと優しさが溢れるシーンです。
一方で、ネクタイをしないラナーとニースの父子関係というのも気になるところ!
このシーンは鏡を覗く人物の心の内を可視化するような仕掛けで表現されます。二人のしあわせ、そこに嘘はない。これは二度目の観劇となるとまたまったく印象が異なるナンバーでもあります。(全体的にそうなのですが)
ダーウィン・ヤングが核となり進む物語。主人公がWキャストというのも興味深いですね。
渡邉蒼さんバージョンのレポートも公開!
あらすじを読むと、人物関係が入り組んでいるのかな? 時代を行き来して難しいかな? と危惧されている方もいらっしゃるかもしれません、しかしながらそれは杞憂というもの。目の前で俳優たちが息を吹き込んだキャラクターが笑い、学び、悩み、傷つきながらも生きていく……それによってダイレクトに心揺さぶられるひとときが待っていますよ。もちろんそこには痛みや悲しみも。 その上で、しっかりとドラマを読み解くと、幾重にも折り重なるように関わり合う人々の心のひだをもっともっとと深堀したくなる、つまりは“ハマる作品”です。楽曲も味わい深く、聴けば聴くほど、こちらもやはり“ハマる音楽”です。そして一度見た景色も、衝撃の真実を知った上で見ると、また違う景色に映る。これもまた本作が観客の心をとらえて離さない理由のひとつではないでしょうか。
公演は6月25日まで、シアタークリエにて、6月30日~7月2日は兵庫県立芸術文化センターにて上演です。
STORY
舞台は市街が9つのエリアに区分され、厳格なる階級制度が敷かれている架空の都市。200年の歴史を誇る全寮制のプライムスクールに入学した16歳のダーウィン・ヤング(大東立樹/渡邉 蒼)は、教育部長官のニース・ヤング(矢崎 広)を父に持つエリートだが、この世界の厳格な階級制度に疑問を抱いている。同じ考えを持つレオ・マーシャル(内海啓貴)と出会い、心を通わせた二人は、骨董品交換会で、古びたフードと、カセットプレイヤーを交換する。
30年前に16歳で何者かに殺害されたジェイ・ハンター(石井一彰)の追悼式典の場、感動的なスピーチをするニースの傍らで、ジェイの弟であるジョーイ・ハンター(染谷洸太)は大袈裟な式典を催すことに不満を漏らしている。ジョーイにとってこの30年は、常に兄のジェイと比較され、劣等感を抱き続けてきた30年間だったからでもある。ニースは、ジェイとともに同級生で親友同士でもあったバズ・マーシャル(植原卓也)から声をかけられ、ドキュメンタリー映画の監督としてプライムスクールの撮影をすることになったので、息子のダーウィンの協力を仰ぎたいと相談をもちかけられる。
そんな折、ダーウィンは密かに恋心を寄せている同級生のルミ・ハンター(鈴木梨央)から、力を貸してほしいと依頼される。好奇心旺盛で頭脳明晰なルミは、伯父であるジェイの部屋で見つけたアルバムの中から、1枚だけ写真が消えていることに気づいた。ジェイの死の真相に迫る《何か》が写っていたはずの写真の謎を突き止めるため、ダーウィンはルミと行動を共にすることに。
この世界の最下層エリアである第9地区、膨大なデータが眠る国立図書館、ダーウィンとルミは、謎解きの旅の中で少しずつ真相に迫っていく。
60年前に起きた「12月革命」。その革命のリーダーだった「額に流れ星のタトゥーを入れた少年」、その特徴と奇妙に符合するダーウィンの祖父であるラナー・ヤング(石川 禅)・・・。
さらに、ラナーが第9地区の出身でありながら、第1地区の教育部長官にまで上り詰めた父ニースの知られざる過去。
真相に近づくに従い、ダーウィンの祖父と父が、それぞれ闇に葬った秘密が明らかにされていく。
殺害されたジェイ・ハンターの死の真相は?古びたフードとカセットプレイヤーに隠された秘密は?
そして、タイトルが暗示する「悪の起源」とは何を意味するのか?すべてを知った時にダーウィンが選んだ道は?
親子孫の三世代の運命が交錯する、壮大なる人間ドラマが今、始まる―。
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人