日本初演公演の開幕まであと3週間!気になるミュージカル『ビューティフル』お稽古の様子が公開&日々稽古に励むみなさんの会見が行われました。
キャロル・キングダブルキャスト:平原綾香さん、水樹奈々さん
「(たくさんの取材陣の前でのシーン披露を終え)第一段階としてこの緊張を味わい、本番はこんな感じなのかなという疑似体験ができました」(水樹さん)「とにかく笑いが絶えない現場です。キャロル・キングが主役となっていますが、みんなが主役のようなミュージカルです!」(平原さん)バリー・マン役:中川晃教さん、シンシア・ワイル役ソニンさん
「『ジャージー・ボーイズ』と同じ時代ということで、この作品にも縁を感じました。今、音楽が主役のミュージカルが熱いですよね!そして、日本を代表する歌姫の平原さん、声優として活躍しそのバックボーンは演歌という水樹さんがキャロルを演じる。ミュージカルシーンに新しい風が吹く予感がしています」(中川さん)「この作品ではキャロル&ジェリーとバリー&シンシア、2組のカップルの対比も描かれています。今日ご覧いただいたのは私たち二人の唯一のロマンティックなシーンです(笑)。あとはすごくテンポよく、夫婦漫才みたいです!」(ソニンさん)ドニー・カーシュナー役:武田真治さん、ジェリー・ゴフィン役:伊礼彼方さん
「プロデューサーのドニー・カーシュナー、今日はちょっと出番が少なめでしたが、作品の中ではとても重要な役です。ドニーがいなければ、こいつらなんて(笑)世に出ることなんてなかったんですから。彼らを見いだすくだりとか、まぁ秀逸に書き込まれています」(武田さん)「お話をいただいたとき、劇中の曲の半分はキャロル・キングの歌だと知っていましたが、残りのほかのアーティストに提供した曲はキャロルの曲だと知らずに聴いていました。みなさんにもなじみのある曲ばかりだと思います。さらに現代的にアレンジされているのでより聴きやすくなっています」(伊礼さん)【ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロー】
ガール・グループ“シュレルズ”に提供した楽曲。キャロルとジェリーコンビにとっての最初の大ヒット曲(全米No.1)。
写真左より)シェレルズ:菅谷真理恵さん、エリアンナさん、MARIA-Eさん、高城奈月子さん
伸びやかなボーカル、心地よいハーモニー、そして振付も60年代ポップスならでは。みなさんが衣裳を身に付けて歌う本番を想像するとさらにワクワクします。
「本来ミュージカルというのは、物語のなかで登場人物の気持ちを吐露するときに音楽・歌を用いるものです。でも、このミュージカルでは(キャロル&ジェリー、バリー&シンシアが作った曲が)時系列に並んでいて、“こういう状況でこの名曲が生まれた”ということを描いています。そして、通常はひと節ふた節与えられ、あとはハーモニーに徹することが多いアンサンブルのみなさんがソロナンバーを与えられている極めて挑戦的な、面白いミュージカル構成となっています。全員がソロナンバーを…私以外は(笑)。あ、ひと節ありますね、「捨てられて~」と。悲しいワードですね(笑)」(武田さん)「この作品では古い曲が新しく感じられる!もっと言うと、今、生まれた瞬間の曲なんだ!という感覚が届けられるんです。これは構造のマジックなんだろうな。秀逸、ヤラレタ!って思いますよ。日本もそんなオリジナルミュージカルを書こうじゃないか。そんな野望が膨らんでしまいます」(中川さん)【ワン・ファイン・デイ】
こちらもガール・グループの“シフォンズ”による大ヒット曲。TV曲での撮影風景として描かれるのですが、なんだかキャロルとジェリーに温度差が…。
ヒットメーカーとしての地位を築いた二人の夫婦関係には亀裂が…という1幕ラストの楽曲です。
キャロルの強い気持ちを歌い上げる水樹キャロル
「お芝居の中でキャロルという役を纏うと、台本を読んでいたときと違う感覚が生まれます。BWで私が観たときも「キャロル、がんばれ!」と(劇場中が)団結するお芝居と感じましたが、それは彼女がかわいそうだからじゃない。彼女自身が強かった、どんな時でも、それは常人では耐えられないような状況でも笑い飛ばして諦めないで前に進む強いエネルギーがそうさせるのだと。改めてキャロルのすごさを感じています。
また、歌についても、この瞬間にこの曲が生まれたというお芝居のパートがあるからこそ、自然にその歌にスライドできる私がいます。歌の練習だけをしているときは発見できないものが、お芝居と一緒になることでたくさん気付けていて、毎日が楽しいです」(水樹さん)【プレザンド・バレー・サンデー】
綿引さやかさん
「僕が演じる作詞家ジェリーの歌詞は、キャロルの生み出すメロディに乗せてはじめて生きる。そして、当時のヒットチャートをバリー&シンシアと競い合う様子が描かれています。そのお芝居の中で彼らがクリエイトした曲をアンサンブルのみんながスターとして歌う。そこが見どころです。(来日している)演出サイドからも、「ミュージカルと謳っていますが、実際はほぼストレートプレイ」と言われています」(伊礼さん)「僕らにはストプレの感覚はあるのですが、観ていただく方には、新しい感覚のミュージカルを楽しんでいただけると思います」(武田さん)【ウォーキング・イン・ザ・レイン】
この曲はキャロルとジェリーのよきライバルであり親友の作曲家バリー・マン(中川さん)と作詞家シンシア・ワイル(ソニンさん)によるロマンティックな曲。
一緒に暮らそう、結婚しようとプロポーズするロマンティックなナンバー
「僕はバリー・マンLOVEです。今も人物像を探している最中ですが、実在している人物を演じることは楽しいです。しかも、作曲家、僕自身も音楽を生み出す瞬間を感じている人間だからこそ、どうやってこの曲が生まれたのか、そこでの思いも興味深いです。例えばキャロルたちがティーン向けの曲をヒットさせたなら、バリーたちは「オン・ブロードウェイ」という大人向けの曲を書いたりするところとかね!」(中川さん)終わった瞬間、キャストさんからヒューヒュー!!の嵐にちょっと照れ気味?!のおふたり
【ナチュラル・ウーマン】
キャロルとジェリーがアレサ・フランクリンに提供し大ヒット、劇中ではキャロル自身のソロ曲としてのレコーディング風景の中で歌われる、平原さんも大好きとおっしゃる楽曲です。今の自分を見つめ、一度は歌うことをためらうが、それを乗り越えるシーン。
「いいねー」という声が聞こえてきそうなおふたり(山野靖博さん、神田恭兵さん)
「二人のキャロルによって自分も変わるんです。
水樹さんは、子供のように見えたキャロルが、いろんな経験をし成長していくのを見守り、頭を撫でてあげたくなる。(自分の中の)姉御肌が出るんです。
綾香ちゃんのときは、「そうだよね!いろいろあるよね!」と肩を組みたくなる。自分もキャロルと一緒に(人生の山を)登っていかなきゃという気持ちになるキャロルです。
私も周りのみんなも二人のキャロルから受けとるものの違いを楽しみながらやっているので、ぜひ二人のキャロル、ダブルの醍醐味を味わってください。アーティストのベースをお持ちのお二人だからこその違いがうまく出ていると思います」(ソニンさん)「彼女は17歳で出産して28歳で浮気されて離婚する。その中で名曲を生み出している。それは肝が据わっていなければできないんじゃないかな。そして、演じていて改めて思ったのは、彼女はどんなに傷つけられても、誰一人傷つけない。(夫の)浮気相手さえも。愛を持って生きてきたから、「ユーヴ・ガッタ・フレンド」のような曲が生まれた。「全ての人に愛を」がキャロルを演じる上でのテーマ。彼女の人間性にも惚れています。そんな人間的な魅力を出せるような演技がしたいと思っています。
お稽古では、周りの人たちが、とくにアッキー(中川さん)がいっぱいアドバイスをくれるんです。それがスゴイうれしくて!同世代だけど大先輩が側にいる安心感と共に頑張っています」(平原さん) みなさんのお話をうかがい、いくつかのシーンを見て、あらためてタイトル曲「ビューティフル」「ユーヴ・ガッタ・フレンド」を披露した『Beautiful』歌唱披露♪トニー賞授賞式スペシャルパフォーマンス動画を見ると…泣けてきます。そして、愛ならまかせて!という力強い歌声に元気をもらえます!
音楽が主役のミュージカル、これは生の舞台で見てその力を思いっきり体感したい!!していただきたい!!
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人