ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』村井良大さん&中川晃教さんインタビュー

 シアタークリエ4月公演、ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』で初共演。主人公“チャーリー・ブラウン”と彼の飼い犬であり、世界で一番有名なビーグル犬“スヌーピー”を演じる、村井良大さん中川晃教さんの対談をお届けします。





──お二人は今回が初共演。お話されるのも…。

村井さん)
 ちゃんとお話するのは、今日が初めてですね。


中川さん)
 そうだね。ただ、共通の知り合いはすごく多いから、話は聞いていてるよ、いろいろと(笑)。今、『フランケンシュタイン』で一緒の加藤和樹くんもそうだし、平野良くんも…


村井さん)
 矢崎広くんや、太田もっくん(基裕さん)も!




中川さん)
 村井くんにとっては、みんな同世代って感覚だよね。僕からすると、最近になって共演している人たち。つまりそれって、僕がミュージカルを初めて今年で15年目、その中でどんどん新しい人が出てきていることを実感する顔ぶれなんだよね。名実ともにこれからのミュージカルシーンを担っていくであろうフレッシュなメンバー、もちろん村井くんもその一人って認識。


村井さん)
 なんかうれしいですね。


──実際にお会いしての第一印象は。

村井さん)
 僕があっきー(中川)さんのご出演されていた『ジャージー・ボーイズ』を観劇し、その後でごあいさつしたのが最初ですよね。それまでも、一方的に知ってはいましたし、すれ違ったりはしていたけど。


中川さん)
 すれ違ってる?すれ違ってるけど、話しかけてくれなかったってこと?!無視?


村井さん)
 えっ?違う違う!こっちが一方的に知っていただけですから。一方的に知っていたら話しかけていいってルールないですから!!(笑)。


中川さん)
 そう?俺は結構一方的でも行くよ。作品を見に行ったときに、すごくいいなと思ったら。まぁ、いいなと思わなかったら…。あ、そういうことだ。




村井さん)
 あれあれあれ~、なんか変な展開だ(笑)!
 違いますよ!!僕は、その部類じゃないってことです。


中川さん)
 じゃあどんな部類?


村井さん)
 いつかちゃんとお話ししたいなって、物影からそっと見ている部類です!


中川さん)
 ふーん、そうなんだ(笑)。




中川さん)
 あ、第一印象の話ですよね。 第一印象は、まさにチャーリー・ブラウン!すごくオープンマインドで、人あたりもソフトだよね。でも…、実は、彼の中にはすごく硬い殻で覆われた核のようなものがあると思うんだよね。そこに、生真面目さも感じる。そんな印象を、“共通の知り合い”に話したら、「その通り、作品、芝居への取り組み方がすごい真面目」って答えが返ってきて。そこもまた、今回、僕らが演じるキャラクターの関係性にはうまく作用するだろうなって。
 あと、僕としては、村井くんの硬い殻を壊したいなという思いもあってね。それは、やみくもにぶち壊すのではなく、お互いに人間的にわかり合うことで自然に。それによって舞台上で、化学反応が起きることを期待しているんだ。


村井さん)
 ちょっとしか話していないのに、ここまでわかってくれているのはすごくうれしいですね。




中川さん)
 いや、村井くんはわかりやすい人だよ。話を聞いていて思ったんだけど、発言の中で“僕という人間”という情報を的確に伝えられる人なんだよね。それは、もちろん“僕という人間”がしっかりとあるということでもあるし、だからこそ、もっともいろんな角度からこの人を知りたいと思うんだろうな。


村井さん)
 見抜かれている…。それって裏を返すと、頑固ってことでもあるんですけど(笑)。


中川さん)
 でも、何に対して頑固なの?


村井さん)
 作品作り。


中川さん)
 だよね!


村井さん)
 確かに、プライベートは結構なんでもいいところがありますね。でも、作品作りに対してはそうはいかない、それは好きだから頑固なんだと思う。それがチャーリーを演じる上で、良くもあり、悪くもあるかな。
 チャーリー自身のキャラクター作りにはいいと思うんですが、スヌーピーとの関係性においてはどうかと。壁はないと思っているから。




中川さん)
 スヌーピーとしては、何でもオッケーだよ。すべて受け止められる気がする。
 でも、そうなるとますます殻を壊さないとね。そうすることで、劇中の「チャーリーわかって!!チャーリー僕のことを愛して!!」というナンバーが、より一層、熱を帯びるから。チャーリーとスヌーピーの間には、言語がないから解釈も何通りも生まれるよね、ある意味カオス(笑)。チャーリーが悩めば悩むほど面白くなりそう。でも、そこにネガティブな要素は一切感じない。


村井さん)
 ネガティブ要素はないですね。僕自身、最近、どんどんポジティブに、明るくなっている気がするし。




中川さん)
 髪の毛もね、明るいよね(笑)。ちなみに、今の髪の色はチラシ撮影用?


村井さん)
 もちろんでございますよ(笑)。


中川さん)
 ということは(チラシを指さし)これは地毛?


村井さん)
 そうです、自前です(笑)。


中川さん)
 カツラだと思ってた…。





──続いては、中川さんの第一印象をうかがってもよろしいですか。


村井さん)
 すごく素敵な笑顔で接してくださったので、心の中で、少年のような人だなと思っていました。お会いした瞬間に、「ありがとう、観に来てくれて!チャーリー・ブラウンにピッタリだね」と言ってくれたのが印象的でしたね。僕は、結構、その時にやっている作品で頭がいっぱいになってしまうんですよね。でも、僕に会った瞬間、先の作品に頭を切り替えて、イメージを膨らませられるんだって。このバイタリティがあるから、舞台上でもあんなに輝いている方なんだなと思いました。


中川さん)
 舞台を観に来てくれたことが、素直にうれしかったんです。そして、直感的に「チャーリーだな」って!そこで、写真を撮ったんですけど、その時、すでに俺、スヌーピーの気持ちだったくらい。

 こうして経験を積み重ねてくると、それによって得たものが増える一方で、失ってしまうものもあるんですよね。どの現場でも、初心を忘れずに新鮮な気持ちで、情熱を持って臨みたいと思っています。 だから、俺より年下の、20代の人に少年っぽい笑顔と言われるの…、イヤじゃないなぁ(笑)。そう感じてくれたということは、まだ大丈夫なのかな、俺(笑)。
 気心の知れた仲間と、熱いディスカッションを交わしながら作品を作りあげるのも好きだけど、この作品のように初めてご一緒する仲間と、人間関係も含めてゼロから作っていく楽しさも大事にしていきたいです。それによって自分でも気づいていない新しい自分と出会えることもあるし!こうして、村井くんと話していても、すでに化学反応が始まっている気がする。




村井さん)
 どんどん化学反応を起こしていきたいですね!



──お二人のキャスティングが発表された時点で、素敵な化学反応を予感したファンの方も多いと思います。ただ、過去に上演されていたとはいえ、今回のバージョンがどのような舞台になるのか、未知数な部分も多い作品ですよね。ある意味、チャレンジングでもある…。

村井さん)
 どんな作品になるのか、まだわからないというのが正直なところです。確かに、挑戦的な作品ですよね。


中川さん)
 挑戦なの?どういうところが?




村井さん)
 日本では10年以上も上演されていないんですよね。長きにわたり閉ざされていた扉を開けるような…ドキドキが。こんなにも有名なキャラクターたちを、舞台上で僕らが演じるわけですし。でも、それは決してネガティブではなく、どうなるんだろうという楽しさでもあります。
 子供たちを僕ら大人がやるというところにも大きな意味を感じています。大人が演じることで、さらに深みを与えられると思って。内容も哲学的なところがあったり、大人の心にも響く作品にしたいですね。
 あっきーさんの中では、スヌーピー役は挑戦じゃないんですか。




中川さん)
 挑戦っていうか、楽しみ。
 この役のオファーが来たとき、周りのスタッフの予想に反して(笑)、即OKしたし! だって、スヌーピーだよ!
 そして、いろんな劇場で、いろんな作品を上演している中で、「これ、面白そうだな」と思ってもらえる作品だと思うから!音楽も上質で、一度聞いたら覚えられる曲がいっぱい。とくに♪Happinessという曲は、作品を知らなくてもミュージカルファンには有名だよね。



──確かに、ミュージカルコンサートなどで耳にすることの多い曲ですね。



中川さん)
 ですよね!楽曲のクオリティも高く、ミュージカルとしてすごくよくできている!魅力的な作品だと思う。個人的にも、その作品を僕らで上演できること、そして、この作品で村井くんと出会えたことを、すでに感謝しているよ。


村井さん)
 うれしいな!ますます楽しみになってきました!


中川さん)
 でしょ(笑)!やっぱりその笑顔はチャーリーにピッタリだ!
 改めてよろしくね。


村井さん)
 はい!



──ありがとうございました。
 悩み多きチャーリーと、どこか達観しているスヌーピー、そんな関係も垣間見られるような楽しいお話に、作品への期待がますます高まりました!!





4月16日夜公演はおけぴ観劇会!!
シアタークリエでお待ちしています



【公演情報】
BROADWAY MUSICAL『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』
2017年4月9日(日)~25日(火)@シアタークリエ

<スタッフ>
原作: チャールズ・M・シュルツ著
コミック『ピーナッツ』より
脚本・音楽・詞: クラーク・ゲスナー
追加脚本: マイケル・メイヤー
追加音楽・詞: アンドリュー・リッパ
訳詞・演出: 小林 香
振付: 川崎悦子
音楽監督: 佐藤真吾
美術: 松井るみ

<キャスト>
チャーリー・ブラウン 村井良大
ルーシー 高垣彩陽
サリー 田野優花(AKB48)
ライナス 古田一紀
シュローダー 東山光明
スヌーピー 中川晃教

声の出演 大和悠河

公演HPはこちらから

おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文) hase(撮影)

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