いよいよ開幕!ミュージカル『グランドホテル』初日前会見レポート

♪ここはグランドホテ~ル!!
 ときは1928年、ドイツ・ベルリンの街にある華やかな“グランドホテル”を舞台にした人生のドラマが間もなく開幕!




 ミュージカル『グランドホテル』初日に先だって行われた会見&フォトコールの模様をレポートいたします。

【introduction】
 1920年代の活気あふれるベルリン。様々な人間のドラマが交差する豪華ホテルの一夜を描いたミュージカル『グランドホテル』。偶然にもグランドホテルで出会い、それぞれの人生が変わるような一夜を過ごす。



 両チームのゲネプロが終わり、GREEN→REDと見て…またGREENが見たくなる自分が。これはエンドレス?!まるで深夜の甘いもの→しょっぱいもの→甘いものの間食ループのよう(笑)。

 もしやこれが…いえいえ、もちろんそれが異なる2つのパターンを作った意図ではないにしても(笑)、同じセリフ、同じ歌でありながらこうまでも変わってくるのかというのは、とても面白い観劇経験です。
 そして、そこから見えてくる『グランドホテル』という作品の「核」。

 自省の意味も込め、ご観劇の注意としては両者が「違う」といのは紛れもない事実。ただ、「どこが違うのか」にとらわれ過ぎると、「核」を見失ってしまう可能性もあります。ニュートラルな気持ちで『グランドホテル』を訪れることをおすすめします。ひとつはっきりしているのは、どちらも素敵です!
 では、いってらっしゃいませ♪


【REDチーム速報写真 4/10追記】










【GREENチーム速報写真 4/8追記】








 それぞれのキャラクターがホテルに滞在し、人生とは…を問う。それぞれの答えを探し、見つけ出しながらも、大きな時代の流れは人々をのみ込んでいく。見ている最中も、見終わってからも頭をぐるぐるとめぐる思い、あの人、この人の顔が浮かびます。でも、やっぱり多くを語るには…GREENとRED、両方見ないと始まらないのかな。
 両方見ることでこの作品への印象はどう変わるのだろうか…との興味が大きくなりました。

続いては初日前会見&REDプレスコールレポートです!


【会見レポート】





重い病を患うユダヤ人会計士、オットー・クリンゲライン役:中川晃教さん

 「死期を悟り、残りの人生をこのグランドホテルで生きたいギラギラとした光をまとっている、オットーを演じたいと思います」




同じくオットー・クリンゲライン役:成河さん

 「とてもスピーディーでアグレッシブ、華やかできらびやか、かつ同時に影がある作品です。僕らが演じるオットーは、その中でとても哲学的なメッセージを背負ってホテルを出ていきます。そこにご注目ください」




グルシンスカヤ役:安寿ミラさん

 「引退間近のバレリーナ、年齢を重ねてきたからこそいただけた役だと思います。人生に絶望したバレリーナが男爵と出会い、生きる悦び、踊る悦びを取り戻す過程を、精一杯演じたいと思います」




グルシンスカヤ役:草刈民代さん

 「久しぶりにトゥシューズを履いたり、バレエの衣裳を着たりして、踊っていたころの自分を思い出しながら稽古を積みました。また、今の年齢だからこその恋心が盛り込まれているので、楽しみながら精一杯演じたいと思います」




フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵役:宮原浩暢さん

 「常にスリルを楽しんで生きる男爵、それまで人を本当に好きになったことのない男が初めて真実の愛に出会う…ご覧になったお客様が“自分も恋をしたい”と思っていただけるキャラクターにしたいですね」




フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵役:伊礼彼方さん

 「僕らが演じるのは爵位をはく奪される寸前の男爵、そのような状況でも生活レベルを下げられない、必要なものより欲しいものを手に入れようとする男です。そんな彼の人生におけるグルシンスカヤとの出会いという一筋の光、彼は愛を知り…その結末はREDとGREENでは違うのです。両チームご覧ください」




フレムシェン役:昆夏美さん

 「フレムシェンはハリウッドの女優を目指すタイピスト。彼女がなぜハリウッドへ行きたいのか、今の生活から抜け出したいのか、彼女の根底に何があるのかを深く突き詰めてお芝居をしていきたいと思います」




フレムシェン役:真野恵里菜さん
写り込もうとする伊礼男爵?!真野さんちょっと困惑(笑)

 「フレムシェンは今の生活から抜け出し、自分の夢をかなえたい、その一心で行動しています。私もミュージカルが初めてでわからないことだらけですが、そこを重ね合わせて頑張りたいと思います」




傾きかけた織物工場の娘婿社長プライジング:戸井勝海さん

 「誠実に、誠実に、誠意を持って家族大好きで生きてきた男が、家族を守るためについたたった一つの嘘。そこから人生の坂道を一気に転がり落ちていく男を、優しく哀しく演じられたらと思います」




プライジング社長:吉原光夫さん (吉原さんの素敵ソロショットは後ほど!)

 「自分が演じるのは、覚醒して腐食して破たんしていくという、器の小さな男ですので、やりやすいかな(笑)。作品としては…(自分の)REDのほうが1ナノくらい面白いかな」




グルシンスカヤの親友であり、秘書であり、時にはドレッサーであるラファエラ役:樹里咲穂さん

 「ラファエラをひと言で表すと“愛”、それに尽きます。グルシンスカヤを心の底から愛していて、でも、女性ゆえに越えられないものがあり葛藤する姿に共感していただきたいですね」




ラファエラ役:土居裕子さん

 「女性に恋をする役は初めてです。さまざまな愛の形がある中で、そういう役を演じられることを幸せに感じています。草刈さんを愛し尽くそうと思っています」




オッテンシュラッグ医師役:光枝明彦さん

 「オッテンシュラッグは軍医。誰からも愛されず愛することもないという寂しい男です。狂言回し的な役割も担います。1928年、第一次大戦が終わったころ、世の中をちゃんとわかっているのは誰なのか…その辺をご覧になるのも一興かと思います」




オッテンシュラッグ医師役:佐山陽規さん

 「とても孤独な役です。みなさんとは距離を置いていて、直接的にほかの人と芝居をする場面はそんなにありません。それだけに演じる上で距離感を計るのを難しく感じています。大先輩と同じ役なので緊張しています」



シングルキャストを代表してこちらのお二人がご登壇されました。



エリック役:藤岡正明さん

 「エリックはホテルで働きながら、わが子の誕生を、今か今かと待っている役です。僕自身、昨年12月に第二子となる息子が生まれまして、実感を伴って理解できる役に出会えたと思っています。作品の魅力は、僕と湖月(わたる)さんだけが知っている、両チームの違い。本当に違うんです。全く違う作品を見るつもりで来ていただいてもいいんじゃないかなというくらいです」



スペシャルダンサー:湖月わたるさん

 「グランドホテルのテーマ、愛と死、その象徴的な存在になれたらいいなと思っております。今回、男爵とのダンスシーンは両チーム、同じ曲で全く違う振付で踊ります。稽古場から感動とわくわくを感じていましたが、ステージで照明とセットの中にいるみなさんはさらに素敵です。ぜひ、劇場にお運びください」


ここからはGREENとREDのエールの交換!と思ったら…思わぬ展開に?!笑


成河さん)
 「終盤の稽古は分かれていたので、今日、あっきーと久しぶりに会ったんです。ちょっと台本の話をしたら、もう止まらなくなっちゃって。それが、すごくおもしろいんですよね。一人で作っていては見えない部分が見え、もちろんそこから選択をするのはそれぞれですが、顔を合わせたときにぐっと芝居の話ができたのが僕はとてもうれしくて!
 今後それぞれがオットーの分身として存在し、違いが出てくることで、きっと2チームに分けた意味も見えてくる。そこを楽しみたいと思っています」


中川さん)
 「そうなんだよね。入れ違いの稽古場生活を10日ほど送り、劇場に入ってからもそんな調子で。REDチームは、僕にとってすごく気になる存在なんです。きっとこの公演が千穐楽を迎えるまで、気になり続けるんだろうな。それってこの作品、この公演ならではのスペシャルな気持ちなのかなと思っています。
 そして、両チームあることの魅力、それを一番味わえるのがお客様です。僕ら全カンパニーが一丸となって作りあげた2つのグランドホテルを通して、この公演でトムがやりたかったことがみなさんに伝わりますように。ぜひ両チーム見てください。僕らは、最後まで怪我なくがんばろう!」


伊礼さん)
 「大人数を2つのグループに分けると、どうしてもライバル心が芽生えてしまうんですよね。僕には最初からそれしかありません(笑)」


両オットー)
 「さすが、熱い男だね!」

伊礼さん)
 「ダブルキャストの宮原さんとは稽古を通じて切磋琢磨してきましたが、彼の歌、本当に素晴らしいので常に危機感を抱いていました。その危機感、緊張感は本番中も消えることはないと思います。これはREDとGREENのバトルです!みなさんはそれを楽しんでください」




宮原さん)
 「なんだか宣戦布告みたいな…。僕はあんまり、戦うとか好きではないので(笑)。年齢は僕のほうが少し上ですが、ミュージカルに関しては伊礼くんが大先輩。最初の取材の時には伊礼先輩と呼ばせてもらって(笑)、稽古場では演じるということをいちから教えてもらいました。別々の稽古になってから、それをベースに自分なりに深め、最終的にはお互いいい感じの男爵が演じられるのかなと思います。まぁ、負けませんけどね(笑)」


みなさん口々に…)
 「結局そうなるの(笑)?」

宮原さん&伊礼さん)
 「一緒に頑張っていきましょう」

 2チーム、異なるエンディングへ向かうという通常のダブルキャスト公演ではまずありえない試み。これは高い演劇性の中で、それぞれのキャラクターを見極め、的確に方向づけられる演出家のビジョンと、それを体現する役者のスキルがあってこそ実現することです。
 さらにいわゆる“歌ウマ”ぞろいという…奇跡!!両チーム、ぜひぜひご覧ください。
 ここからは、気になる舞台の様子をチラリとご紹介。



【REDチーム オープニングナンバーチラ見せ】


 続いては、公開稽古でも披露されためくるめくオープニングナンバーThe Grand ParadeREDバージョンの様子をどうぞ!月並みな、かつ、セールストークのような表現になりますが「一度見ただけでは目がいくつあっても追いつかない!!」さまざまなドラマが繰り広げられます。一瞬の表情に「はぁ、そんな表情されたら…」、心わしづかみの連続です。(GREENチームはしばしお待ちを!!)














【REDチームの衣裳付き通し稽古映像】


【公演情報】
ミュージカル『グランドホテル』
2016年4月9日(土)~24日(日)@赤坂ACTシアター
2016年4月27日(水)28日(木)@愛知県芸術劇場大ホール
2016年5月5日(木・祝)~8日(日)@梅田芸術劇場メインホール

<出演>
【GREEN】
中川晃教/宮原浩暢(LE VELVETS)、安寿ミラ/戸井勝海/昆夏美/樹里咲穂/光枝明彦
【RED】
成河/伊礼彼方/草刈民代/吉原光夫/真野恵里菜/土居裕子/佐山陽規

【GREEN&RED】
藤岡正明/味方良介/木内健人/大山真志/湖月わたる
金すんら/友石竜也/青山航士/杉尾 真/新井俊一
真瀬はるか/吉田玲菜/天野朋子/岡本華奈

<スタッフ>
脚本:ルーサー・ディヴィス
作詞・作曲:ロバート・ライト&ジョージ・フォレスト
追加作詞・作曲:モーリー・イェストン
演出:トム・サザーランド
振付:リー・プラウド
音楽監督:マイケル・ブラッドリー
翻訳・訳詞:市川洋二郎

<あらすじ>
1920年代ベルリン。
様々な人間のドラマが交差する豪華ホテルの一夜を描いたミュージカル『グランドホテル』。
若く美しく、だが貧しいフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵は、ギャングによる借金の取り立てから逃げている。
帝政ロシアで一世を風靡したバレリーナ、グルシンスカヤは座員を養う引退興行のためにベルリンへ。
重い病を患う会計士、オットー・グリンゲラインは、これまでの貯金を全て使って、人生の最期の日々を豪華なホテルで過ごそうとしていた。
傾きかけた織物工場の娘婿社長プライジングは、会社を立て直す会合のためにホテルへ。
ハリウッドでスターになることを夢に見るタイピストのフレムシェンはプライジング社長の私設秘書に誘われる。
偶然にもグランドホテルで出会い、それぞれの人生が変わるような一夜を過ごす…

公演HPはこちらから

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人

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