いよいよ東京公演最終週!
20日(水)の昼夜公演ではスペシャルカーテンコールが決定♪
昼【RED】出演者全員で
♪We’ll Take A Glass Together
夜【GREEN】オットー役中川晃教さんによる
♪Table With A View/At The Grand Hotel
1920年代ベルリン。
様々な人間のドラマが交差する豪華ホテルの一夜を描いたミュージカル『グランドホテル』。
2016年オフ・ウエストエンド・シアター・アワード最優秀ミュージカル作品賞&最優秀振付賞ダブル受賞したトム・サザーランド氏の新演出冴えわたる本作!
先に公開した
RED観劇レポートに続き、大変お待たせいたしました、GREENチームの登場です!
◆群像劇でも、登場人物一人一人の個性が光り、最初からぐんぐんと引き込まれ、圧倒的な2時間でした。中川晃教さんはじめ、出演者は歌唱力のある方ばかりなので、歌も素晴らしかったです。舞台は20世紀の初めのヨーロッパですが、今の日本にも通ずるものがあり、人間としての生き方、社会のありようを考えさせられる骨太のミュージカルです。
◆今回はGREENチームでしたが、結末も異なるようなので、REDも見たくなりました。演出が素晴らしい!私は群像劇はあまり好みではなかったのですが、この作品は違いました。今日はアフタートークがあり、そこでアッキーも言っていましたが、一つ一つの場面が積み重なってラストへむけてどんどんと引き付けていかれ、ラストでいろいろなメッセージを感じとることのできる作品でした。
オッテンシュラッグ医師(光枝明彦さん)、オットー(中川晃教さん)
写真後ろ)そんな二人を気に留めるガイゲルン男爵(宮原浩暢さん)

オットー、フレムシェン(昆夏美さん)、ガイゲルン男爵
奇妙な出会いは奇跡の出会いだった

若く美しい男爵…オットーは何を思う…
◆チームGREENは想像とは違い、そこまで暗さは感じられないので、迷っている方も是非トライしてみて下さい。
見所は個人的には男爵とエリザヴェータのラブシーンがツボで、あのシーンでの「踊りたいの!」の台詞にはもろ共感!!
◆大人のミュージカル。テンポよく次々と繰り出される群像劇に様々な人生が見えて来ます。
舞台の端から端までいろいろな意味が込められていて目が離せない。
死期が迫る、重病人の中川さん演じるオットーとハリウッドを夢見る昆夏美さんのタイピストのやりとりで、いくつかの悲劇のお話の中に希望が見えます。華のあるバレリーナのエリザヴェータ(・グルシンスカヤ)とシワがあっても愛している、と真実の愛に目覚める男爵の関係性が動いていくのがわかり、見どころの一つだったと。演出が良かった。 
グルシンスカヤ(安寿ミラさん)、ガイゲルン男爵

写真左)グルシンスカヤを見つめる衣裳係ラファエラ(樹里咲穂さん)
◆様々な人間模様が交差する様子を素晴らしい歌声と共に感じることができる、至福の時間でした。また時代背景をも考えさせられる舞台でした。
今回はGREENチームの観劇でしたが、エンディングの違うREDチームもぜひ観劇してみたいと思いました。
◆シャープな仕上がりで、あっという間の2時間でした。宝塚版や前回と全然印象が違うので、全く新しい作品を期待してください!裏切らないです。また、GREENとREDそれぞれの役の性格や終わりが違うとか。
同じ曲とセリフとセットで違うって凄いです!ぜひ両方観てください。
◆人は誰でも死にむかっていく生き物。限り有る今をどう生きるか、現代にも通じる物語だと思います。
(休憩が無いので、観劇前のトイレは必須!)
3つの空間で繰り広げられる想いの錯綜をみごとに見せる

大きな対比として、ホテルのゲストと従業員という構造がエンディングに…

プライジング社長(戸井勝海さん)の悲哀と狂気
◆2時間がホントにあっという間。人々のそれぞれの環境と仕事と立場と出会いを垣間見ていたら、たちまち時が過ぎて行きました。心地よい響きの声に囲まれながら、キレのあるダンスや、リフトや、椅子使い、セットそのままでの小道具による場面の転換がスマート鮮やかです。
◆人が出会い別れる…幾重にも重なっていく人間模様が美しく感動的。
隅々まで血の通ったような世界で、見応え抜群でした。一方でダンスシーンは華やかで楽しく♪ジミーズのナンバーはとてもごきげんでお気に入りです。
ベルリンのホテルにいるアメリカ人パフォーマー“ジミーズ”(味方良介さん、木内健人さん)とハリウッドスターを夢見るフレムシェン

スペシャルダンサー(湖月わたるさん)、男爵
GREENとREDで違うダンスで相手を誘う湖月さん、オープニングからエンディングまで常に気配を感じさせます
◆GREENチームは、人生を駆け抜けたキャラクターが大きな時代のうねりに飲み込まれるがごときエンディングが強烈な印象を残します。そんなうねりの中で、彼らがどんな行動に出るのか。一人でも多くの方に、劇場で最後の最後まで彼らの姿を見てほしいと思いました。そして、REDがとても気になる!!稽古場レポートでもお伝えしたように、2チームがそれぞれ悲劇的エンディングとハッピーエンディングで幕を閉じます。そして、我々はその後の歴史を知っていて、原作者のヴィッキィ・バウムは未来への警鐘としてこの作品を書いたという2つの事実。
ひとりひとりの登場人物にも、作品に込められたメッセージも、観劇後もぐるぐると頭を巡る思い。回転ドアから出られず、未だ回っているような感覚です。
感想寄稿:おけぴレポ隊のみなさま
おけぴ取材班:chiaki(文・写真) 監修:おけぴ管理人