
早霧せいなさん、宝塚退団後の初主演ミュージカル!
元宝塚歌劇団雪組トップスターの早霧せいなさんが、ミュージカルに初主演!
トニー賞4冠に輝くラブ・コメディ『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が上演中です。
(5月27日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、6月1日(金)から10日(日)まで東京・TBS赤坂ACTシアター) 劇場から届いた舞台写真とともに、観劇レポートをお送りいたします!!
仕事と結婚生活、どちらが大事? そんな問いの前で揺れ動く、人気ニュースキャスターのテス・ハーディングを演じる早霧さん。
公演ビジュアルから想像していたのは、クールなハンサム・ウーマンでしたが、実際に舞台上に現れたテスはひとことで言うと、とっても“キュート”!

クルクルと変わる表情に、客席の目も釘付け。かわいいと、かっこいい、そのバランスがいい感じ。
相手役を演じる相葉裕樹さんとも好相性です♪
コミカルな表情、動き、そして声。圧倒的に美しいビジュアルとのギャップが魅力的。この持ち味、宝塚トップスター時代のそのままです。
楽曲の音域も無理な高音がなく、男役を卒業して初のミュージカル作品としてぴったり。
早霧さんが着こなす衣装はドレスからタイトスカートのスーツ、そしてやっぱり一番お似合い♪ のパンツスーツまで多彩。細いヒールの靴、足元が見えるのも新鮮です。
テスの恋のお相手、風刺漫画家のサムを演じるのは相葉裕樹さん。長い手足をいかして飄々と踊る姿は、サムが描く漫画のキャラクター“カッツ”そのもの。
長身小顔のプロポーション、セリフや歌の声にもどことなくアニメキャラクターのような印象がある相葉さん。宝塚トップスター時代に『ルパン三世』『るろうに剣心』など漫画原作の作品にも多く主演した早霧さんとの共演は必然だったのかもしれません♪

おふたりの身長差も胸キュンポイント。お姫様抱っこや、おんぶシーンも登場して、見ているこちらは密かにドキドキ…♪

完璧な演技と笑いに拍手喝采! こんな共演を見たかった!
テスを支える完璧なサポートチーム、秘書のジェラルド役・今井朋彦さんと、家政婦ヘルガ役・春風ひとみさん。
数々のストレートプレイ作品で活躍する今井朋彦さんが演じるのは、テスと同じく(もしかしたらそれ以上に)仕事を完璧にこなす秘書のジェラルド。テスとサムがいちゃいちゃしているところに、ポーカーフェイスで入ってくるジェラルド。もしかしたらテスのことを…? そんな含みも持たせたお芝居が楽しいんです。歌唱シーンもありますよ(これがまた美声! もっとミュージカルに出てほしい!)。
そのジェラルドとのデュエットシーン必見、テスの家政婦ヘルガを演じるのは春風ひとみさん。ドイツ系という設定のヘルガ。たまにドイツ語で毒づいているのがおもしろかわいい♪ なにをおいてもテスの幸せ優先! そんなヘルガがテスをこっそり(?)サポートする二幕のお料理シーン、思い切り笑いながらも、ちょっとほろりときてしまったおけぴスタッフです。

仕事の中身よりビジュアル優先!? だけどどこか憎めないキャラクター♪
テスの同僚チップ役で客席の爆笑を誘ったのは原田優一さん。
爆笑ナンバー1を取ったのは間違いなくこの方でしょう。テスの同僚チップを演じた原田優一さん。髪型が少しでも乱れると心が乱れてしまうチップ。ヘアスプレー片手に駆けつけてあげたい(笑)! 『CLUB SEVEN』シリーズなどを見ている方にはおなじみ、原田さんの笑いにかける情熱、この作品でもいかんなく発揮されています。歌声も演技も一流だからこそ生まれる笑い。それをかるーく楽しめることの贅沢さ!

贅沢といえば、こちらの共演も♪
早霧せいなさんとは宝塚の先輩後輩の間柄。樹里咲穂さんが演じるのは、専業主婦のジャン。対象的な人生を選んだ二人ですが…
宝塚ファンにはたまらないこのおふたりの共演。樹里咲穂さんが演じるのは、テスの元夫ラリーの現在の妻で専業主婦のジャン。セレブで雲の上の人と思っていたテスが、自分の家にやってきてパニックになるかと思いきや…。正反対の人生を選んだふたりが、お互いを称えるナンバー『となりの芝は青い』は、女性のさまざまな生き方を肯定する応援ソングなのかもしれません。

こちらもなんて贅沢! バレエダンサーの宮尾俊太郎さんがセリフ&歌唱に初挑戦。バレエシーンもたっぷりです。
早霧さんと同じく“はじめて”に挑戦したのは、Kバレエ カンパニー所属のバレエダンサー宮尾俊太郎さん。『ロミオ&ジュリエット』の死のダンサーでミュージカル作品は経験済みですが、セリフや歌唱がある役を演じるのははじめてとのこと。テスの決断に大きな影響を与えるロシア人バレエダンサーという役柄で、もしかしたらサムの恋敵? と予想してたのですが…これがまさかのコメディ全開・天然キャラ♪ ふわーっとした笑顔で「愛の大切さ」を教えてくれるアレクセイ。美しく力強いバレエテクニックを堪能できる場面、そして歌声を披露してくれる場面もあり、大活躍です。
原作となった映画『女性No.1』が公開されたのは1942年。主演はハリウッドで「自立した女性」の代名詞的存在だったキャサリン・ヘプバーンでした。
ブロードウェイでミュージカル化されたのは、アメリカで女性が仕事を持つことが当たり前になりつつあった1981年。その後日本でも上演されていますが、いまこの2018年にあらためて、この作品が上演されることには大きな意義があるのではないでしょうか。
舞台上でテスが下す決断にどんな感想を持つかは人それぞれ。おけぴスタッフとしては、彼女の決断を受けて、サムが発する言葉に胸をうたれました。
舞台上は笑いでいっぱい。宝塚卒業後のミュージカルデビューとなった早霧せいなさんの魅力もいっぱい。同時に、女性を取りまくさまざまな問題が裏テーマとして忍ばされている、そんな作品に仕上がっているミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』。演出は硬軟取り混ぜさまざまな作品を手がける板垣恭一さんです。
大阪公演は27日まで。その後の東京公演でも、キュートなテスと愉快な仲間たちが大暴れしてくれそうな予感です♪ アフタートークショー開催回や、特製ノベルティグッズがもらえる回など、公演情報詳細は
公式サイトをご確認ください。
<梅田芸術劇場公式チャンネルでカーテンコール映像も公開されました♪>
おけぴ取材班:mamiko 監修:おけぴ管理人
舞台写真提供:梅田芸術劇場 撮影:森好弘