宝塚歌劇×ボリウッド=最高に熱い夏!! 星組トップスター紅ゆずるさんが、私たちを再びマサラ・パラダイスに連れていく!
紅さん&綺咲愛里さんのトップコンビ・プレお披露目公演として東京国際フォーラムで上演されてから半年。よりゴージャスに楽しくパワーアップした“マサラ・ミュージカル”が梅田の夏を盛り上げます!
7月22日に初日を迎えた、宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演 マサラ・ミュージカル
『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』。おけぴ開幕レポート、スタートです。

レポ後半では、舞台稽古後に行われた囲み取材の模様もお届け♪
【原作の世界観を大切にしつつ、タカラヅカ色に染める小柳演出が絶好調。トップスター紅ゆずるの魅力を引き出す手腕に拍手!】
2007年にインドの映画興行収入ランキング1位となった『Om Shanti Om』をミュージカル化したこの作品。原作映画は2013年に日本でも公開(邦題は『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』)。声を出して盛り上がりながら鑑賞する“マサラ上映会”も話題を呼びました。
“恋する輪廻”というキーワードのとおり、主人公が30年の時を経て生まれ変わり、愛を求める物語。「そう来るか!」なストーリー展開と、「今これが来るか!」なショーシーンのギャップが癖になりそう。紅さんと綺咲さんは、物語の前半と後半で、生まれ変わった二役を演じ分けます。

オームとシャンティの運命の出会い。
紅さんのコミカルな演技、やっぱり最高です!
綺咲さん演じるスター女優・シャンティに憧れるオーム(紅さん)は万年エキストラの脇役専門俳優。ひょんなことからシャンティと友情を育みますが、彼女には世間に公表できない秘密がありました。秘密の暴露をめぐって映画プロデューサー・ムケーシュ(七海ひろきさん)が仕掛けた事故(事件!?)に巻き込まれた二人は命を落とし、30年後の世界に生まれ変わるのですが…。
初演に引き続き演出を手がけるのは、大劇場公演『Shall we ダンス?』『ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-』『幕末太陽傳』と会心作の続く小柳奈穂子さん。原作の持つテイストや世界観を壊さずに、ファンが期待する“タカラヅカらしさ”を加え、出演者の魅力を引き出す手腕は今作でも健在です。
紅・小柳タッグの前作『
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』でも感じましたが、小柳作品での紅さんが見せる「お調子者のようでありながら、どこかナイーヴな内面を感じさせる演技」が魅力的だなあと思うおけぴスタッフ。観客をドカンドカンと笑わせながら、ふとした時に見せる切ない表情、少年っぽさに胸がキュンとなるのです。
特に胸に迫るのは、第一幕、第二幕と二度登場するスピーチのシーン。「ハッピーでなければエンドではない」「これから始まる僕の物語」といったセリフに散りばめられた紅オームの思いが物語と現実世界の壁を超えていきます。下級生時代からさまざまな経験を経てトップスターとなった現在の紅さんの姿と重なって、ファンならずとも思わず涙する名シーン。演出家からの“愛”を感じずにはいられません。
もちろん、紅さんらしいコメディシーンも満載(というか、ほぼ全編…? 笑 )。シャンティをひたすらに慕うオームのいじましさ、転生することで“越えられない壁”を超えてスターになったオーム・カプールのイケイケっぷり、どちらの紅さんも魅力的です。(マサラ・ディスコなダンスシーンも楽しいっ!)
【七海ひろきは“マサラ色悪”な「はまり役」! ベテラン美稀千種の芸、母の愛に泣く】

とことん悪いやつ!のムケーシュ。七海さん、どこか楽しそうに演じているのは気のせいでしょうか。
初演との一番の違いはこの方でしょう。シャンティを陥れるムケーシュ役の七海ひろきさん。初演の礼真琴さんとはまた違う役作りで、とにかく“マサラ色悪”的魅力が光ります。抑えた動きのなかで、手や首、視線の動かし方がいちいち格好良くきまる姿が憎らしいほど(笑)。これはもう「はまり役」。二幕でのちょい老け姿も渋い…! ファンの方どうぞお見逃しなく。
前半と後半で二役を演じ分ける綺咲愛里さん。まずはきらびやかな衣裳でインド風ダンスを踊る姿が文句なしにキュート。愛に悩む女優を大人っぽく演じる前半と、憧れのスターに会ってはしゃぐ現代っ子を演じる後半の演じ分けも鮮やかです。『スカーレット・ピンパーネル』でも大人っぽい役どころでしたので、今作後半で見せてくれるはじけた笑顔が嬉しいですね♪

ボケなのか、ツッコミなのか? いや、ふたりともボケなのか…?
紅&麻央コンビの笑い攻撃力、高いです!
オームの親友・パップー役は麻央侑希さん。長身・小顔の素晴らしいスタイルと、どこかとぼけた持ち味が魅力の麻央さんパップー。紅さん演じるオームと並ぶと、なぜか不思議な親友感が醸し出されます。オームが行方不明になった後も親友を思い続けるパップーのおおらかな魅力が麻央さん自身の魅力とマッチ!
そして初演から引き続きオームの母・ベラを演じるのは星組副組長の美稀千種さん。普段は男役ですが、今作では「お母ちゃーん」と抱きつきたくなるような母っぷり。コミカルな演技も歌もさすがの一言。どんなに時間が経って(転生もして)も息子を見つける母の心、その歌声と演技に涙、です。日替わりアドリブシーンになりそうなサンディへの演技指導シーンもお楽しみに♪
このほか、ムケーシュのボディガードを演じた紫藤りゅうさん、遥斗勇帆さんも、セリフは少ないながら只者ではなさそうな雰囲気を出して好演。『スカーレット・ピンパーネル』でルイ・シャルル役に抜擢された注目娘役・星蘭ひとみさんも目立つ役を与えられています。

転生したオームと、30年後のムケーシュ。おふたりとも第二幕のビジュアルも素敵です♪(写真左は新進女優役の星蘭ひとみさん)
【大阪公演だけの参加型フィナーレ! あの名作ミュージカルへのオマージュも】
梅田の夏をさらに熱くしようと追加されたのが、客席参加型の“アンコールフィナーレ”。本編終了後に「本日の先生」によるレクチャーがあり、舞台と客席が一緒になって盛り上がります! ここは恥ずかしがらずに参加するが吉。おけぴスタッフも取材カメラ片手に踊ってきました♪ 振付はそんなに難しくはありませんが、↓の振付講座動画で予習していけば完璧です。キャストと一緒に「ハリッパ!」(インド風のかけ声?)と叫ぶと楽しさMAXですので、これはぜひ予習をオススメいたします。
最後に宝塚歌劇ファン以外でも楽しめる密かなツボをご紹介♪ 物語の前半で、パップーが「◯◯の怪人」という新作のネタを思いつくシーンがあるのですが、ここのセリフが妙に長いんですね。アドリブなのかな、と思う方もいるかもしれませんが、さにあらず。実はこの『オーム・シャンティ・オーム』には、とあるメガヒットミュージカルへのオマージュがそこかしこに散りばめられているんです。シャンデリア、仮面舞踏会、衣裳にも…? おけぴスタッフはパップーがあるものを拾い上げる演出に「あっ!」となりました。原作映画に込められたオマージュを嫌味なく取り入れた懐の深さにもブラボー、ブラボー、ブラビーッシモー!
(日本では「劇団四季の◯◯はすごいらしい」で有名なアンドリューロイド=ウェバー作曲のあの作品です。宝塚では同じ原作のアーサー・コピット版が上演されましたよね♪)
◆ 舞台セットの隅々にまで“愛”がつまった、マサラ×宝塚歌劇ステージ。
(タカラヅカファンならきっと感激♪ 看板の絵や、亡き父の写真にもご注目くださいね)
公演期間中一部日程では、スペシャルノベルティ“マサラ・グッズ”をもらえる回や、マサラ・トークショーが楽しめる「マサラ・ナイト」も開催予定(詳細は
こちら)。
宝塚歌劇 星組 マサラ・ミュージカル 『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』は8月7日まで梅田芸術劇場メインホールにて上演中です。
◆ 【囲み取材が行われました】
初日前日の舞台稽古の後、主演の紅ゆずるさん、綺咲愛里さん、演出の小柳奈穂子さん、そして原作映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』の監督ファラ・カーンさんが囲み取材に応じ、再演の意気込みなどを語りました。

(写真左から)小柳奈穂子さん、綺咲愛里さん、紅ゆずるさん、ファラ・カーンさん
初演時には「がむしゃらにインドを求めていた」という紅さん。一部出演者も変わり「また新たな『オーム・シャンティ・オーム』になる」という今回の大阪公演。観客にも“やるべきこと”がある、とのことで…
紅さん) 梅田バージョンの「アンコールフィナーレ」は、みなさんが一緒にやってくださらないと場面が成立しません。お客さまと一体となってインドの世界を作りたいので、「(舞台を)見よっかなー」ではなく、「よし、今日も一汗流してやるか」という意気込みで来てください。私たちと一緒にお客さまにも楽しんでいただけたら…ではなくて、“楽しんでください”!!
ボリウッド映画とタカラヅカワールドを見事に融合させた演出の小柳奈穂子さんも…
小柳さん) 原作映画がとてもゴージャス。宝塚歌劇としてもそのゴージャスさに負けないように盛り上げていきたい。お客さまと一緒に楽しむというインド映画の魅力を伝えられるような場面がたくさんあります。客席も一緒に盛り上がって楽しいマサラ・パラダイスを作り上げられれば。
そして、舞台稽古を観た感想を聞かれたファラ・カーン監督は
ファラ・カーンさん) 言葉がありません! (紅さんを指して)ヒーローが素晴らしくて、素晴らしくて…オームがまた目の前に現れたよう。タレント─魅力、才能─に性別の差はないんだと感じました。みなさんのダンスも素晴らしくて、全員ボリウッドに連れて帰りたいくらい! (次回作は宝塚歌劇メンバーで?と問われて) ぜひ。次回作は日本で撮りたいです(笑)!

「ナマステー。ありがとうございます」
紅さんのボリウッドデビューも近い! かも…?
☆梅田芸術劇場オリジナルの「マサラ・チケットホルダー」がもらえる♪当日券情報はこちら
☆さらにお得な学割チケットも!
おけぴ取材班:mamiko、yone 監修:おけぴ管理人